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ユーロ2017で躍進を続けるオランダ女子代表

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昨日のスウェーデン戦に2−0で勝利したオランダ代表女子。躍進の秘密は一体何なのであろうか。その秘密を探りたい。

ビデオ分析 

オランダ女子監督Sarina Wiegmanのインタビューによると試合後には必ずビデオ映像を見せており、その後、選手たちとディスカッションをしているそうだ。このディスカッションをするグループは様々な形で行われている。そこには大きなラインがあり、右サイドの選手のみのグループ、キャンプテンと副キャプテンのグループ、センターラインのグループなどがある。

 

このビデオ分析の内容を選手たちにはポジティブな部分とネガティヴな部分の両方を時系列で見せている。つまり、選手たちには攻撃の部分だけ、守備の部分だけという形で見せていないということだ。

 

さらにビデオを使いながら試合の状況、順位によってどんな戦略、戦術を使うかをを選手全員とのミーティングで決めている。

 

また、ユーロ2017の大会準備期間中にスカイプを使い、選手それぞれに試合の映像や情報を共有していた。そうすることで選手たちは次の代表チームでの活動の前にすぐに情報を得られていたのである。

 

そこでは主にチームの、戦略や戦術に関してではなく選手それぞれのアクションについてのアドバイスが送られていた。なぜなら選手たちはすぐに自分のクラブでの活動があり、それぞれのクラブでの戦略、戦術について調整し、考えなければならないからだ。

 

アクション(認知→選択→実行)についてアドバイスを送ることは、戦略、戦術が違っていたとしてもその選手には有益であることは間違いないからだ。

 

topcoach.hateblo.jp

 

シナリオトレーニング

プレッシャーがある状況で良いプレーをするためには、選手それぞれが自分の役割を理解していなければならない。その役割は1ー0で勝っている時、負けている時で異なっているのが普通である。

試合中においては、チームスタッフと選手たちで常にコミューニケーションを取りながらゲーム展開を読み、ゲームの進め方を変えていくのだ。

 

今回のユーロでは例えば守備をする位置を変えながら戦っている。高い位置からボールを奪いにいく場合は、DFラインを高くし、全体をコンパクトに保ちながら戦う。DFラインを高く置くことでGKは最後のDFのようにプレーしなければならない。

 

また、低い位置からボールを奪いにいく場合は、高い位置から奪いにいく場合と同様に全体をコンパクトに保つ。DFラインとGKの間のスペースは小さく、ロングボールがここに飛んで来る場合が増えるのでその対応をしなければならない。

 

それぞれによって与えられる、必要とされる役割が変わってくる。

 

つまり、多くのシナリオを作りだし、そのシナリオを実行するためのトレーニングを大会までの準備期間中に行ってきたのだ。

 

テクニカルな守備

今年に入り、オランダ代表は爆発的な守備に関してトレーニングを積んできた。正しいタイミングでボールをチーム全体で奪いにいくのだ。そこで重要なことは無駄なファールをして、相手にフリーキックを与えないことである。

さらに試合中に相手に抜かれてしまうことが多かったという理由から1vs1のトレーニングに時間をさいたのである。

トレーニング

 

図のような形でこのトレーニングはウォーミングアップ後に度々行われた。

 

これは11vs11を出発点として考えられた形である。

最初のゾーンで2v1を行い、それを突破した場合、3vs2が行われ、最後のゾーンで2vs1が行われるというものだ。守備側はボールを奪ったら各ゾーンのミニゴールにシュートすることが許される。つまり、数的有利を作り、それ利用しながらボールを運び、ゴールまで行くという意図のあるトレーニングだ。

 

さて、オランダはどこまで進めるのであろうか。

オランダ女子サッカーは凄いスピードで発展していることは間違いない。

 

プレーテンポが男子に比べて、ゆっくりなのでゲーム分析においてもオススメである。

 

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  • 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
  • 発売日: 2014/10/23
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