金満クラブに勝つために
スポンサーリンク
選手オリジナルのプロフィール作り
いつも、ある枠組みから出て考えたい。
その一つに選手を管理したり、成長させるためにオリジナルのプロフィールを作っている。その理由は明確だ。同じ方法ではアーセナルやチェルシー、バルセロナような金満クラブには勝てない。資金力が違いすぎる。
AZ アカデミーコーチ
そもそもクラブ強化の考え方として、金銭力を生かし、それを使って強化する方法。
または、ビジョンやプログラムを成熟させ、選手を育成する方法だ。
オランダのAZというクラブは後者を選択し、それに特別なタイプの選手の育成をするという視点を入れている。この特別なタイプの選手というのは認知能力とゲームインテリジェンスが高い選手のことを指す。
AZでは10年後この能力が最も重要になると考えているようだ。
スペースやボジションを即座に探したり、チームの戦術プランや敵を見てプレーすることができるようにトレーニングを行っている。
また、常にスタイルは変わるという。フォーメーションから戦術まで。コーチは選手からコンフォータブルゾーン(心地よい)を取り除き、意図的にアンコンフォータブルゾーンを作るようにしている。
時には4-4-2、3-5-2でプレーし、高い位置からプレッシャーをかけたり、低い位置からプレッシャーをかけるようにさせるわけだ。それによって選手たちの脳はどんどん成長していく。
トーレニングについて考える時、サッカーのシチュエーションでより複雑になるようにトレーニングを設定する。そして、そこでは常にパスをしろとは言わない。
これはサッカーではないと考えるからだ。サッカーにはドリブルもシュートもある。
新しいシチュエーションをどんどん作りだし、選手の脳を鍛えるのだ。
合わせて読んで欲しい。
Motoric learning(体で染み込ませる)
意図あるトレーニングのもとで選手たちがより効果的に効率的に学び、脳のコネクションを発達させることはより重要であることは明らかだ。
何か道具となるようなものを身につけることはより重要である。
例えばよくあるようなパスをしてトラップするトレーニング。これをすることでなんとなくトレーニングしているかのように思うかもしれない。
しかし、AZではこのようになんとなくトレーニングさせない。
選手たちには最終的に何かを達成させなければならないことを認識させる。
それは、
‘external focus’
キーワードはコーチングのようだ。
こういったトレーニングの際、コーチはパスをする選手にこうコーチングする。
『あなたはパスをしなければならない』
『自分自身がどんなパスをしたのか認識している?』
『パスを受けた選手はゴールに向かい点を取ろうとしていたか?』
そして、間違った選択をした時にはいきなり怒ったりはしない。
『なぜ、その選択をしたの?』
『他にも良い選択はなかった?
『この状況で2対1の状況は作れた?』
こんなコーチングや対話をすれば体罰をしている暇もないかもしれない。
どうやって質問するべきかコーチも常に頭をはりめぐさなければならないからだ。
生物学的年齢と暦上の年齢
AZではU12チームからアカデミーチームがスタートする。
それ以下の年齢は様々な地域でスクールを運営している。もちろんAZのメソッドを使って。
なぜU12以下のアカデミーチームを持たないかというとこの年代においてAZでは20人のベストな選手よりも200人のベストな選手を育成したいと考えているからだ。
そして、彼らは週1回〜2回スクールでトレーニングし、所属する地域のアマチュアクラブで同様にトレーニングし、試合をした方が効率が良いわけだ。
それによって良い選手をスカウトできる可能性がより高まる。
ここでもし予想をはるかに超えて良い選手がいた場合、その選手は常に質問されながらトレーニングしてきたか、年齢の高い選手たちとトレーニングしてきたかのどちらかだと考えられる。
AZでは生物学的な年齢と暦上年齢を分けて選手をプロファイリングしている。
1月生まれと12月生まれでは約1年の差がある。発達著しい子供たちにとってこの開きは多きい。(オランダでは生まれ年でチーム分けしているようだ)。そうなると体が発達しているであろう1月生まれの選手がこのチームで優位に立ってしまうわけだ。この選手は、体が強いだけでAZが大切としている認知能力とゲームインテリジェンスを発達させることが難しくなる。それでは選手を育成できない。
そこで14歳を例にすると、AZでは、週2回、体が発育していれば15、16歳のチームでトレーニングし、小さければ13歳のチームでトレーニングさせて調整を図っているわけだ。そして、このデータはプロファイリングされクラブ、選手の財産になっていくわけだ。
こちらを参考にしてもらえればより理解が深まるかもしれない。
世界はどんどん前に進んでいるようだ。