クライフとAjaxとオランダサッカー
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オランダ代表は残念ながらロシアワールドカップを逃した。
オランダ国内はもちろん、世界中でオランダのサッカーが下降していると感じた瞬間かもしれない。
オランダ人記者がアルゼンチン代表監督のSampaoliにこんな質問をしたようだ。
「オランダ代表監督にとって良いオプションは何か?Sampaoliとテクニカルチームについてはどうですか?」という内容の質問だ。
Sampaoliは解雇されたDanny Blindの後をそのまま引き継ぎたかったようだ。
そして、彼はオランダのテクニカルコーチと共に仕事がしたかったようなのだ。
結局、SampaoliではなくDick Advocaatが引き継ぐことに。彼は3回目の代表監督である。Sampaoliはチリ代表を率いて2015年にコパアメリカを制した。そう考えるとオランダ代表、オランダサッカーに刺激を与える存在としては最適だと思われたはずだった。
しかし、ここでオランダサッカーはクライフの言葉が引っかかったのかもしれない。
‘Why should I gone back when everything they are doing with soccer in Holland is wrong now?’
ある種、これはサッカー先進国である誇りかもしれない。
オランダサッカーを通じて、ドイツ、スペイン、ベルギーは強くなったのだ。
そして、ドイツはこれに改良を加え、攻撃でフィットした選手たちでチームを形成し、ホーランドスクール3.0を彷彿させるようなサッカーを展開したのだ。
見方によって、オランダは進化することを拒否したのであろうか。
これはオランダが自分たちが小国であるがゆえに自分たちのバーを低くしたこと、そして、オランダ国内においては皆、知り合いであることが一つの原因かもしれない。
2011年にクライフが実権を握った後、元 AJaxの選手たちがクラブの中に入り出したのだ。去年を除き、Ajaxはチームとして約20年、結果を残していない。
去年はPeter Boszがホーランドスクール3.0を彷彿させるようなサッカーを見せた。しかし、今シーズン、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグと早くも姿を消している。
オランダサッカーの発展を考えるとAjaxの成長が鍵となるといっても過言ではない。
AjaxにはPSVやFeyenoordに比べて大きなポテンシャルがある。
予算で見ればオランダトップであり、年間約80ミリオンeuroである。
選手の移籍による収益は158.9ミリオンeuroでこれはアーセナルやマンチェスターユナイテッドに匹敵する。
Ajaxはこれからどうなるのであろうか。
Stefan SzymanskiとSimon Kuperは彼らの本の中で選手たちの給料のインジゲーターはパフォーマンスに影響すると言われている。給料が高く支払われている選手たちが多くいるほど、最終的な結果を良いというものだ。
クライフは選手の給料とパフォーマンスに関して、選手にたくさんの給料を払えばゴールがたくさん生まれるとは限らないと述べている。
しかし、データの上ではStefan SzymanskiとSimon Kuperの意見が正しいようだ。
つまりAjaxがすべきことは良い選手を売るのではなく、高い給料を払ってでも良い選手を残留させてヨーロッパで結果を残すことが求められるのではないか。
それが結果的にオランダサッカーの発展に繋がるかもしれない。
オランダから目を背けてはいけない。彼らは必ず復活するからだ。
参考・引用
https://fd.nl/fd-persoonlijk/1220945/de-boedel-van-cruijff
オランダのサッカー選手育成プログラム ジュニア/ユース編―年齢別・ポジション別指導法と練習プログラム
- 作者: オランダサッカー協会,田嶋幸三
- 出版社/メーカー: 大修館書店
- 発売日: 2003/10/01
- メディア: 単行本
怒鳴るだけのざんねんコーチにならないためのオランダ式サッカー分析
- 作者: 白井裕之
- 出版社/メーカー: ソル・メディア
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- メディア: 単行本(ソフトカバー)