クロップのお家芸 ゲーゲンプレスを見てみよう
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We will conquer the ball, yeah, each fucking time! We will chase the ball, we will run more, fight more.
2年前にリバプールの監督クロップが発言した言葉である。
これはまさにクロップのサッカーを最大限に表現した言葉かもしれない。
クロップのサッカーはボールを失った後、すぐに相手にプレッシャーをかけ、すぐさま奪い返し、そのまま攻撃に転ずるというものだ。いわゆるゲーゲンプレス。この戦術はドルトムント時代(マインツでも成功)に成功を納め、リバプールでもこの戦術を採用している。
しかし、今シーズンに限ってはしばし違うようである。
As discussed on latest pod. Aggregated pressing map 2017 v 2016 for WAT, CRY, BUR, LEI pic.twitter.com/zX7C4ZsmOj
— AIUnderPressure (@AIUnderPressure) 2017年9月26日
上の図を見てもらいたい。リパプール3シーズンの分布である。
参照(What Has Happened To The Klopp Press? | StatsBomb)
チームの攻撃方向を左から右としてピッチを5つに分け、 赤い色はパスを乱れさせた回数を数値化したもの(チームのプレッシャー戦術がうまくいったことを表す)、青色はパスを相手に成功されてしまった回数を数値化して表したものである。
気づいたであろうか。明らかに今シーズンだけ違うのである。これだけ見れば、クロップのお家芸、ゲーゲンプレスは効いていないことを表している。
さらにデータによると今シーズンのリパブールの対戦相手のポゼッション時間が今までのクロップが率いたチームと比べると10パーセントも増えているのだ。この時間は約6.5秒(相手のポゼッション時間)である。この時間はプレミアリーグの中で比べると
短い方であるが、クロップのリパプールにとっては大きな変化である。
さらにこれは今シーズン、リバプールが対戦した相手ごとにどれくらいパスを乱れさせたかどうかをまとめたデータである。赤が乱れさせることができたことを表している。
(レスター戦は外れ値であるようだ)
これの図から考えられることとして、今シーズンのリバプールは戦術をチームとして操ることができているということになるのではないであろうか。
チャンピオンズリーグかつカップ戦、リーグ戦と世界一試合数が多くなってしまうであろうプレミアリーグ。これはクロップが出した解決策かもしれない。
ゲーゲンプレスを実行するためには速い攻守の切り替えとそれに伴って前へのスプリントがチーム全体に求められる。
そこで付きまとうのが負荷が高すぎる上での選手への負担であろう。
ゲーゲンプレスの弱点の一つである。
しかし、クロップはこれを考慮し、日程や対戦相手に合わせてゲーゲンプレスを調整しているのだ。
こうなるとますますプレミアは面白くなるであろう。クリスマス前、クリスマス後では順位に変動が大きくあるかもしれない。
ユルゲン・クロップ 選手、クラブ、サポーターすべてに愛される名将の哲学
- 作者: エルマー・ネーヴェリング,鈴木良平,大山雅也
- 出版社/メーカー: イースト・プレス
- 発売日: 2015/07/05