ビックデータはサッカーの神話を解き明かす!?
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サッカー界においてデータが使われ出したのは最近のことである。
他のスポーツではすでに使われていたのだ。例えば、バレーボールなどはその一つである。バレーボールの世界では全ての動きが分析させているのである。
このデータを使うことで相手チームの秘密を解き明かし、自チームのプレーを向上させることを可能にしてきたのだ。
しかし、必ずしもデータがチームを成功に導くとは限らないようだ。
例えば、相手のマッチポイントで自分のチームがサーブだとする。データ上では、左サイドの後ろが相手の弱点だとする。いざサープになったとき、その選手は相手の弱点ポイントにサーブできず、それが拾われ相手にポイントを許してしまい勝利を逃してしまったのだ。いくら良い準備をしてもそれが報われないことがあるのだ。
ビックデータ
サッカーにおいてはスタジアムの熱気やルール上の反則、バスカット、得点の難しさについて考えるべきで、決して数式やデータサイエンスについて考えるべきではないであろう。しかしながらこういったことに対して多額の金額が動いているのもまた事実である。Benfica, Barcelona, Borussia Dortmund en Leicester Cityといった世界的な実験を好むクラブは成功を収めている。また、今回の女子ユーロ2017で優勝したオランダ代表チームもその一つである。
オランダ代表の試合ではビデオカメラが設置され、絶えず選手がフィールドのどこに立っているかという分析が行われていたのだ。その分析結果の蓄積によって、分析チームはどのようにオランダが攻撃するのを熟知しており、強いて言えば誰がどこでどのようにボールを止めるかさえもわかっていたのだという。
補完
データと共に選手の質、選手たちの結束感、コーチの戦術プランが融合して初めてチームが優勝できる可能性をもつことができるであろう。データは必ずしも必要なものではないが、あることでチームを助けることは間違いない。
ある解説者はこう述べている。
多くの人々が自発的にフットボールを見ている。決定は度々、直感で行われている。しかし、データがあることでサッカーを違った角度から分析することを可能にしてくれるのだ。もはや今の時代、コンピュータと共に仕事ができなければサッカー界から取り残されてしまうだろう。
オランダ代表女子の監督、Sarina Wegmanはこう述べている。
試合後、すぐにA4サイズの紙に分析結果が送られてきて、そこにはその試合のどこにスペースがあったのか、どのような攻撃がチャンスを作り出していたのかといった情報とまたボールがどの位置にあったのかを示すカラーのシートなどが送られてくるのだ。
数学者の目
また数学の理論を使い、データを扱っているケースもある。
研究者はフィールドはあるレベルによって分割している。青色、黄色のドットは選手を表しており、白色はボールである。それぞれの区切られたスペースは自分が主導権を握って扱えるスペースでそのスペースが大きければ周りに敵がいないことを意味している。ドリブルをしたり、味方が近づいてくればそのスペースは小さくなってしまうのだ。
数学者の中ではこれはポロノイ図と呼ばれているものだ。これによってコーチはすぐに
どこにスペースがあるのかを見つけることができるのだ。もしくはこの図からどのように相手のプレッシャーを避けてボールを運ぶことができるのかも教えてくれるのだ。
ボロノイ分割とは? | 用語集とGISの使い方 | 株式会社パスコ
この図の説明を少しすると、まずボールを持った選手は攻撃の糸口を探している状態である。この状況では右サイドには多くのスペースがあることを意味している(青色)。
よって右サイドへのクロスパスによってチャンスが生まれる可能性があることを意味しているのだ。これは監督、コーチ、選手たちにとっては大変有意義な情報といえるだろう。
このようにデータは溢れ、様々な方法で利用されている。今後、研究はさらに集まり、データが蓄積されることでよりサッカーといるスポーツが解き明かされていくことは間違いないであろう。
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