選手のモチベーションをかきたてろ!
様々な競技において成功した多くの選手は専門的なトレーニングを通じてその競技に必要な技術を手に入れてきた。
技術獲得の観点から、反復というファクターはプレーヤーを供給するで非常に重要である。
ただ本質的に反復することは、単調で中々夢中になることは難しい。
永続的なタスクの実行、コンディション調整、トーレニング内で戦術の確認・調整のほぼ繰り返しである。常に同じ方法、同じものを繰り返されたならそれは非常につまらなくなってしまうわけだ。
そこでどのように選手たちを興奮させ続けることができるのか?
選手たちにどのようなスイッチを入れると学び続けてくれるのか?
答えは内なるモチベーション
Deci et al, 1981, Mitchell, 1996の研究によると先生のある振る舞いは学生の内なるモチベーションに影響を与える重要なキーファクターとなるとしている。
内なるモチベーションとは楽しくて満足感を味わえるものとして自分から行動することができるものとして言及されており、Vallerand and Rosseau, 2001の研究ではスポーツにおいて楽しんだり喜びを感じながらプレーすることはパフォーマンスに重要な影響を及ぼすとしている。
また、Chelladurai’s (1980)のリーダーシップにおける多次元モデルではパフォーマンスを最大限発揮することにおいて実際のコーチの振る舞いと好ましい行動と必要不可欠な行動は大きく関わりあっているとしている(Hoigaard Jones and Peters, 2008)。
いくつかの研究(Black and Weiss, 1992, Chelladurai, 1984; Cote and Sedgwick, 2003, Hoigaard, Jones and Peters, 2008, Mageau and Vallerand, 2003, Mitchell, 1996, Potrac, Jones and Cushion, 2007, Ryan and Deci, 2000, Weiss & Friedrichs, 1986, Westre & Weiss, 1991)でもモチベーションの度合いとコーチの行動に対する選手の認識の重要性を強く強調している。これに伴い自律的支援学習環境という概念が形成された。
自律的支援学習環境はコーチ、監督が選手の自主性に重きを置き、自主的に問題を解決させ、決定事項に関して彼らが参加するというものだ。この選手の自主性に重きをおいたコーチングのアプローチは選手のモチベーションを作りだすと言われている。
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つまり、選手のモチベーションとコーチの振る舞いは大きく関連性があるということだ。
こういった研究によって、監督、コーチはどのような要因が自分の選手が最高のパフォーマンスレベルを作り出せるかを理解するための枠組み、考え方が示され、また学習環境内においてどの要因が選手のパフォーマンス向上に役立つかを教えてくれる。
アスリートのパフォーマンスの最大化とモチベーションの度合いの成長に役立つ1つのコントロールが可能な要因、それはコーチングの方法である。
Black and Weiss (1992)は多くの情報を供給し、好ましいパフォーマンスに対して褒める監督、コーチは高いレベルを楽しみ、努力し、認知能力に長ける選手と深い関連性があると述べている。
また、Similarly Cote and Hedgwick (2003)は選手の自主性は高いレベルの技術指導、褒めることができ、選手を助けること(支援)ができるコーチによってより促されると述べている。さらに、監督、コーチによるフィードバックの供給やそのタイミングによって選手のモチベーションが高まるかどうかに関して大きな影響を及ぼすとしている。
さらに、Ryan et al (1985)によるとポジティブでパフォーマンスの良し悪しに関するフィードバックは選手の認知能力を向上させるとしている。モチベーションの度合いも大きく引き上げるとしている。
つまり
様々な研究を例にあげてきたが、高い競争下にある育成年代やエリートスポーツにおいて、コントロールできる行動の重要性を理解することは未来の監督、コーチにとって大きな要素を占めていると言える。
ここではコントロールできる行動、コーチングについて取り上げたわけだ。
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育成は結果を導くが、結果は育成に必要ない
ユース年代において勝利、結果は必要かどうか、どんな役割をしているかについての議論は今もなお、続いている。
育成年代のコーチが試合に勝つことは重要か?
この問いは常にされてきた。
この答えはあるのだろうか。
この問いに簡して、育成年代における目的、なぜアカデミーチームが存在するのか?アカデミーチームにおける重要なポイントは何か?という問いに答えていけば自ずと答えは出てくるのではないであろうか。
私たちがアカデミーや学校を持っている理由は、ただその子供を成長させたいからであろう。どのタイミングがこのアカデミーや学校で彼らが成功したと言えるであろうか。
学校で言えば彼らがこの学校を卒業した時であろう。
サッカーにおいてはどうか?
それは彼らがサッカー選手になった時であり、彼らの夢を成し遂げた時であろう。
よってプロのアカデミーに入ることは、プロになるための一つのフローであると考えるわけだ。
では育成年代にとって勝利はどんな役割を果たすのであろうか?
サッカーとはゲームであり、ゲームとは勝つためにする。
これに関しては議論する余地はない。ただ、育成年代においてはこの勝利というものが挑戦を意味することがある。これは監督、コーチによる選択に大きく影響する。
例えば、選手たちをその監督、コーチの色に染め、トーナメントの決勝まで行ったとしよう。
決勝戦においてどの方法でプレーさせる?
A ベストな選手だけでプレーさせる(勝利にフォーカスする)
B 全ての選手をプレーさせる(育てること、経験させることにフォーカスする)
もしAの方法を選択した場合、これは育成ということに目がいっていないことを意味しているわけではない。しかし、この監督、コーチにとって勝ち負けは育成よりもとても重要であることを意味している。
ここでBの方法を選択した場合、これは勝利することに目がいっていないことを意味しているわけではない。しかし、この監督、コーチにとって育成することは勝ち負けよりもとても重要であることを意味している。
アカデミーの目的は何か?
それは プロのサッカー選手を育成することである。このアカデミーという組織はそれを可能することがあるであろうし、そいいった集団でなければならない。
つまり、アカデミーにおいて育成するためには?ということを前提にものを考えなければならないのだ。
専門家の意見は?
Rasmus Ankersenはタレントに関してトップアスリート量産地に学ぶ 最高の人材を見いだす技術でこう述べている。
タレントは2つに分けられる。
A shouting talentは成長するポテンシャルがあり、かつ各年代の大会で勝つことができるタレント。A whispering talentは成長するポテンシャルがあるが、各年代の大会で勝てるとは限らないタレント。よってタレントと定義するにあたって重要なことは、試合に勝てる能力があり、よりよくなれることである。決して試合に勝てたり、今現在ベストであることではないのだ。
全力を出し切るということ
こんな比喩がある。『馬は速く走ることができる。しかし、走る必要はない』
馬はレースなどの必要にかられないと走らないという意味だ。
ただサッカーをする子供たちはどうか?
彼は常に全力で戦い、勝とうとする。育成するということにおいてはパーフェクトな状況である。
育成する、成長するとはまだできていない何かができるようになることを意味している。その人のボーダーラインを超えさせるわけだ。
それでは試合の結果は私たちに何を教えてくれるだろうか?
おそらくその日に勝ったチームが特別であったということだけであろう。
将来、彼らがプロのサッカー選手になれることを示してくれるだろうか?
答えは Noだ。
勝利にフォーカスした結果と育成にフォーカスした結果
2014年に O’Rourke, Smith, Smoll, & Cummingは9歳から14歳の水泳選手を対象にある調査・研究をした。監督、コーチが勝利にフォーカスした結果と育成にフォーカスした結果、自尊心、内在的モーチベーション、恐怖心にどのような影響を及ぼすのかというこものだ。
コーチが勝利にフォーカスした結果
⇨自尊心、内在的モーチベーションが低く、恐怖心が高くなった。
育成にフォーカスした結果⇨
⇨自尊心、内在的モーチベーションが高く、恐怖心が低くなった。
またJaakkola, Ntoumanix, Liukkonen (2016)も育成にフォーカスをおいた指導に重きを置くことでより選手たちが高いレベルでより楽しさが増すということを発見した。(17歳のアイスホッケーチーム)
さてこの結果を得てコーチ、監督は何を思うのか?
結論
子供を育成することはアカデミーのゴール、目的である。
そこで勝利にフォーカスを置く?それとも育成にフォーカスを置く?
もう答えは出ているであろう。
勝利にフォーカスするよりも育成にフォーカスをおいたチーム作り、育成をした方がプロ選手は生まれやすい。これは自信を持って言える。
育成は結果を導くが、結果は育成に必要ない。
例えその時、試合に勝てなくても迷う必要はない、良い選手を育成するという信念を持っていれば必ず良い選手が生まれるはずだ。
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各年代の特徴とトレーニング留意点 11歳から17歳まで
前回は7歳から11歳までの特徴をまとめましたが今回はまとめて11歳から17歳まで。
11歳から13歳に必要なこと
■この年代の特徴
・この年代の選手たちは、自分のプレーについて批判を取り入れることができる。これは特別なことである。
・楽しむ、楽しいということ以外にも注意を向けることが出来る。
・個人的なアプローチを監督、コーチから受けることを喜ぶ。
・好奇心旺盛で、強いモチベーションを持っている。
・彼らは熱しやすく、親しみやすい
・彼らは誰かと共にプレーすること、コンビネーションプレーをすることが出来る。
・テクニックを学ぶことに適しており、何かをまねすることに長けている。
・何かを真似したいという衝動を持っている
・度々、“自分は出来る”という過信に陥る
■肉体
体を自由に扱うということができるようになる。ここではコーディネーションに力を入れるべき
■注意すべきことと出発点
・彼らはボールを前に行かせてたくなり、自分の側においておくことは難しい。
・出来る限り速く、ボールを自分で支配、コントロールすることが重要である。
ここでのトレーニングはプレッシャーを受けた状態で行われるべきだ。
何故なら体と敵の間にボールを置くことを成長させなければならないからだ。
・加えて敵の位置を見てフリーランニングというアクションは重要です
・誰かと一緒にプレーするということをアクセントに置くと良い
・トレーニングでは止まることなく、どんどん流れるオーガニゼーションを作るべき。
・トレーニングではボールフィーリング、強いパス、ボールトラップする力も合わせて成長させることが大切である。
■トレーニングのアドバイス
・話して、イメージを見せて、プレーさせる
・具体的な例を示し、そしてそれをそのままプレーさせる。
・様々な種類のトレーニングを準備する。
・試合やチーム内での戦いではなく、とにかくプレーすることさせることを意識させる。
・この年代の子供たちにとって分かりやすい言葉を使う。
13歳から15歳において必要なこと。
■この年代の特徴
・彼らは思春期に入り、生意気です。
・他のことに興味がいき、他に趣味をもつようになる。よって指導者は彼らのフットボールに対する評価を再評価させなければならない。
・彼らは権威に対して、反抗、時には対立を誘発しようとするかもしれない。
・自立・自律は少し難しく、自己中心的である。
■肉体
・怪我をしやすい年代である。よってW-upをしっかりしなければならない。また、トレーニングの負荷にも考慮しなければならない。
・この年代の選手が体の過度な成長期であることを認識していなければならない。
■注意すべきことと出発点
・攻撃、守備の目的を明確にしなければならない。
・成長するという意識を保ち続けさせなければならない。
・失点を防ぐためにお互いのポジションに注意を払い、さらにビルドアップ、攻撃し、点を取りにいくことに重点をより置いていかなければならない。
・戦術のトレーニングに時間を割くが、1対1で突破するという視点を持つことを忘れてはいけない。
・トレーニングではより速いテンポでかつ敵のプレッシャーがかかった状態でされなければならない。
■トレーニングでのアドバイス
・テーマを個人的な欠点、問題点にむけるべきである。
・この年代では決してパーフォーマンスが高いということはないということに留意しなければならない
・チームの一員であること、プレーに責任があることを伝えなければならない。
・トレーニングの意味をはっきりしなければトレーニング、試合は上手く行かないことが多いだろう。
・この年代では、自分たちのプレーの問題を自ら解決するように促し、そういったことが起きるような状況を作らなければならないであろう。
15歳から17歳において必要なこと
■この年代の特徴
・思春期の真っただ中にいます。例えば、不合理となり気だるさやイライラをつのらせます。
・すべては自分中心となります。
・彼らは自分自身のプレーに批判的なることができます(自己分析)
・彼らが良いプレーをしたとき、この過程はとても重要な学びの瞬間です。
・筋肉の量が少しずつ増え、筋力トレーニングをすることで少しずつその効果が出始めます。
・誰もチームから孤独感を感じさせないことがコーチとして重要な点となります。
・チームで試合で勝利することが個人の成長することよりも比重が大きくなってきます。
■肉体
・体の成長のピーク期に入ります。⇒筋肉と骨の成長のバランスが取れてきます。
・この観点からW-upをしっかり行い、ケガに対してリスクを負ってはいけません。
■注意すべき点と出発点
・チームの成長を促すこと。そこでは3ラインの関わりあいとそれぞれのポジションでのタスクについて。
・試合の結果においてその選手がどのような影響を及ぼしているかにポイントを置かなければなりません。
・上記のの観点から個人の成長に対してアプローチすることも忘れてはならない。
・チームコンセプトをしっかり設定し、それを実行させる。
・試合に近い状況を作ること(1対2~7対7)そして、そのチームコンセプトを発揮できるようなトレーニングをすること。
■トレーニングでのアドバイス
・W-upをしっかり行うこと。
・トレーニングの前に自分が何かをしたいのかトレーニングしたいのか明確にすること。
・短く単純明快な説明をし、具体例を見せます。
・良くなるまでコーチを与え続ける。(プレーを徹底させる)
・選手たちにトレーニングの設定を手伝わせ、トレーニング後は用具を片づけさせる。
・一貫したアプローチをすることが大切。
各年代の特徴に合わせてトレーニングすることはとても重要です。
これを理解できていなければ適切なトレーニングはできないであろう。
所謂、オーバーコーチングになってしまう。
育成年代の選手は常に成長し、進化する。それを理解しているかしていないか。
これが大きく分けるはずだ。
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お父さんコーチへ 各年代の特徴とトレーニング留意点 7歳から11歳まで
育成において各年代の特徴を把握しておくことは非常に大切だ。
各年代においてその選手たちができることは限られているわけだ。
例えば、7歳の子供に『カウンター!』とコーチングしても効果はもはやないであろう。サッカーのトレーニングでもひらがなを覚えるように順をおっていかなければならない。
各年代の特徴をまとめてみた。
7歳から9あ歳において必要なこと~
■この年代の主な特徴
この年代の子供たちは、動きたいという強い衝動に駆られる。
よってプレーするということ自体がこの年代の目的、ゴールとなる。
動き回って、プレーすることがこの年代の子供たちのためになるのだ。
トレーニング中に彼らは何かを真似する傾向にあり、非常に短い時間で多くのことを学ぶことができます。この世代の時に良い成長を促すためには指導者としてとにかくプレーさせること。これが重要である。
しかし、他の年代と比べて緊張感(集中力)を持続させることは非常に難しい。よって長い時間、1つのトレーニングをさせることは好ましくないので多くのバリエーションを準備しなければならない。ここはコーチの見せ所であろう。さらに彼らは自分自身ばかりに目がいき、他の人と協力するという感覚は持っていない。
■肉体
彼らは他の年代と比べて筋力は少ない。よって、筋力にフォーカスしたトレーニングは行う必要は一切ない。繰り返しになるが、彼らは活発であることを忘れてはならず、指導者として様々なトレーニングを準備しなければならない。そこでは、可能な限り立っているだけという時間を減らすことを意識しなければならない。
■注意すべき点と出発点
彼らにとって最も重要なことはボールへの恐怖心を失くすことである。その中で、いくつかの基本的なルール(ボールをゴールに多く入れたチームが勝ち、攻める方向、相手を蹴ってはいけないということ。)を学ぶこと。これがスタートである。フットボールにおいてはルールが明確であるときにその楽しさも合わせて続いてくる。そして、この年代の指導者は子供たちが出来る限り自分からプレーできるトレーニングを用意しなければならない。
トレーニングでのアクセントは、4vs4のようなの形をメインにしながら基本テクニック、両足を使うということにフォーカスをおくとよいであろう。さらにそこでは様々なボールトラップ(敵がいない状態で)を習得することが好ましい。競技志向(勝利主義)に重きを置くよりもまずサッカー自体を楽しむことが中心に置かれることが大切だ。
■トレーニングのアドバイス
・映像やコーチのデモンストレーションなどのイメージを見せて、プレーさせる
・具体的な例を示し、そしてそれをそのままプレーさせる。
・様々な種類のトレーニングを準備する。
・試合やチーム内での戦いではなく、とにかくプレーすることさせること、楽しむことを意識させる。
・この年代の子供たちにとって分かりやすい言葉を使う。
・分かりやすいルールでトレーニングを行う。
ジュニアサッカー クーバー・コーチング キッズのトレーニングメニュー集 ボールマスタリー34
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クーバー・コーチング Session Planner [DVD]
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続いて9歳から11歳において必要なこと
■この年代の主な特徴
この年代の選手たちは7歳から9歳の選手たちに比べて短い時間だが集中力を保つことができるようになる。ただ聞くことと静かにすることは彼らにとって大変な作業である。新しいことに対して興味津々で、この年代において“聞く”ということだけではなく“観る”ということも重要となります。彼らは彼ら自身ができることを見せたがる。また、真似をするとうこともひとつの特徴的な行動である。
ようやくこの頃から、社会性も身につけはじめ、彼らは誰が良い選手なのか悪い選手なのか認識し始めます。
■肉体
・自分の肉体の可能性(何が出来て、何ができないか)を認識し始める。
・コーディネーションは7歳から9歳に比べて断然良くなります。
■注意すべき点と出発点
この年代では、新しい動きを学ぶにあたって最も良い年代である。コーディネーションとテクニックの習得をトレーニングの中心に置くとよい。そこでは試合に近い状況を設定してあげるとなお良い。引き続きルールは明確で簡単でなければなりません。基準やプレーの価値・重要性を認識させ、どんどんトライさせることが大切である。
■トレーニングのアドバイス
・映像やコーチのデモンストレーションなどのイメージを見せて、プレーさせる。
・具体的な例を示し、そしてそれをそのままプレーさせる。
・様々な種類のトレーニングを準備する。
・試合やチーム内での戦いではなく、とにかくプレーすることさせることを意識させる。
・この年代の子供たちにとって分かりやすい言葉を使う。
選手がコーチを理解する前にコーチが選手を理解しなければならない。
これが何よりも大事なこと。
選手たちはサッカーを楽しんでいますか?
サッカーをして笑っていますか?
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サッカーにおいてビデオ判定は必要か?
最近、話題のビデオ判定、VAR。
VARとはビデオ・アシスタント・レフリーの略である。
「ビデオ判定があればCL優勝できていた」。新技術導入に賛成のヴェンゲル
— フットボールチャンネル⚽️ (@foot_ch) 2017年6月20日
2006年CL決勝バルサ戦、ビデオ判定があればエトーの得点はオフサイドで無効だったと主張https://t.co/XBFBT4pQc0 pic.twitter.com/o5raCIx4ca
そのうち人工知能AIが審判やることになるだろうな。⇒ビデオ判定で2試合連続のゴール取り消し…コンフェデ杯2日目で2得点が幻に https://t.co/Cwk1KYJxLg
— 二宮金太郎 (@golgo13er) 2017年6月18日
(誤審対策としてのビデオ判定導入について)人間の目に限界があるならば、テクノロジー(科学技術)に頼ることも悪くない。どこで使うかという議論を入念にすれば、問題はないはずだ。
— オシム監督の名言集 (@corelab0001_d) 2017年6月28日
意見は様々である。
そして、こんなことも。
【1214 サッカー ビデオ判定で突然のPK 歴史的瞬間 】
そんな中、ベルギーのLeuven大学でこんな研究結果が出た。
サッカーにおいてスローモーション映像を見た審判は、リアルタイム映像を見た審判よりも厳しい罰を下す。
ヨーロッパの審判88人を対象に60の試合のシチュエーションでレッドカードかイエローカードもしくはカードを出さずに反則だけを取るかを調査。
半分のシチュエーションはスローモーション映像が見せられ、残りの半分はリアルタイム映像が見せられた。
一般的にイエローカードが出される状況でスローモーション映像を見た審判の20%はレッドカードを出し、リアルタイム映像を見た審判は10%だけレッドカードを出したのだ。
この違いの説明についてLeuven大学の教授はこう説明している。
スローモーション映像における反則はより重い判定が下されるのは明らかだ。
その意図の認知が リアルタイム映像よりもスローモーション映像の方が大きくなるからである。スローモーションにおいて反則は故意的と捉えられてしまうのである。
簡単に説明するとスローモーション映像ではこの時点で重い反則だということが先入観として働いてしまうということだ。またより深くその映像を見てしまうということだ。
イエローカード?レッドカード?
スローモーション映像は審判講習会等であまり使われていないこともその原因の一つとして考えられる。よってInternational Football Association Board (IFAB、ルールを決定、管理する機関)はスローモーション映像を今後、プログラムに組み込むことを検討している。
またスローモーション映像を反則がゴールエリア内かゴールエリア外か、もしくはタックルが体にいっているか、ボールにいっているかをチェックするのに有効だ。
賛否両論あるがこれからも VAR、ビデオ・アシスタント・レフリーの運用方法から目が離せない。
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個人ピリオダイゼーション ケース:ノルウェー
ある19歳の選手がノルウェーでプレーしていた。
ノルウェーは1月にシーズンがスターし、10月にシーズンが終わる。
ヨーロッパ5大リーグとはシーズンが違う。
プレーシーズンが1月から4月までで、4月から10月までリーグ戦が行われる。
この彼はエリート生としてあるクラブのU15,U16に所属し、週に4回トレーニングして、週末に試合をするといった毎日を送っていた。
しかし、この彼はこの2シーズン定期的な怪我をして、ほとんど試合でプレーすることができなかった。
そして、彼は新しいクラブに移籍し、U19とトップチームのトレーニングに参加していた。彼は、シーズン始めから2月の中旬までU19の監督の要望で月曜から木曜まで週4回トレーニングしていた。前のクラブと変わらない。むしろトップチームのトレーニングに時折、参加していたので前のクラブよりも負荷は高い状態であった。
この期間でこのクラブの監督、コーチは爆発的な選手だと認識していた。
2月の中旬、またしても彼は怪我をしてしまう。
このクラブのメディカルスタッフはこの選手が以前のクラブで何度も何度も怪我をしていることを知る。
選手が怪我をする理由の一つにトレーニングの負荷というものが影響している。
この選手もまさにそうだ。
サッカーの世界では大抵の場合、チーム全員に同じトレーニングが行われる。
このアプローチの方法ではいつ、怪我が起きてもしょうがないのである。
本来、怪我人へのアプローチは個々で行わなければならない。
選手によってはトレーニングの負荷をコントロールしなければならない。
当然、負荷を落とさなければならない選手がいるわけだ。一時的にそれが必要な場合もある。
この選手のケースでいけば、トレーニングの負荷を落とさなければいけないであろう。
理由は2つ。
- 爆発的な選手であること。(シュートが強い、足が速い、フィジカルが強い等)
- その選手の怪我の歴史(筋肉系の怪我、膝の怪我、同じ箇所の怪我等)
そして、この選手はコーチングスタッフの相談によってU19チームのみのトレーニング参加となった。
チームというのはあるリファレンスをもとに構造的なプランを立てなければならないでろう。構造的なプランがあることで個々のアプローチもより簡単になるであろう。
チームには必ず突発的な何かが起きる。例えば、主力選手の怪我がそれに当たるだろう。しかし、構造的なプランさえあればチームが慌てて混乱に落ちることはそうないであろう。構造的なプランを持っていますか?
逆を言えば構造的なプランがあれば個々のピリオダイゼーションが可能なわけだ。
■試合後、少なくとも48時間はリカバリーの時間として必要
■次の試合までに強度を落とさずにトレーニングの量を落とさなければならない
怪我のからの復帰のチームでのトレーニングはより体に負担をかけることになる。
怪我から復帰したこの選手はより負荷が溜まっている状態に陥っているわけだ。
つまり、この選手は他のフィットした選手と比べて多くのリカバリーの時間が必要なわけだ。これは考えたことはありますか?
すなわり個々のピリオダイゼーションはコーチ、監督によって理解されていなければならないし、コントロールされなければならないということになる。
それが結果的に選手をフィールドに立たせ続けることを可能とし、チームを強く保ち続けることを可能とするからである。
今回のケースの選手情報
- 以前のクラブで過去2年間怪我を繰り返していた
- 爆発的な選手である
- U16からエリートとして認められている
- 以前のクラブで週4回のトレーニング+試合
そして、メディカルスタッフ、コーチングスタッフとの話し合い後
- 理学療法士とのリハビリトレーニングの実施
- 週4回のチームトレーニングから週2回へ
- 試合前のトレーニングは彼のみ早めに切り上げる
- リハビリプランとしてパス&トラップ、ポゼッショントレーニング、ゲーム形式のトレーニングと段階を経て、行う
- 試合のプレー時間を段階的に増やす。45分⇨70分⇨90分
実際のところ、難しいところではあるところだが、全ての選手がそれぞれにあったプランでトレーニングされるべきである。
受傷歴、選手のタイプ、以前のクラブの方法を考慮してトレーニングの負荷を落とすのだ。
トレーニングの負荷を調整することで選手間で不満が起きるかもしれないが、その選手が点を取ったりと、チームに貢献することができればそれほど大きな問題にはならないであろう。
全ての怪我を防ぐことはほぼ不可能に近い。
しかし、正しい方法によってチームが導かれることによって勝利がより近づき、物事がうまくいくはずであろう。
ちなみにこの選手は、復帰後、毎試合に出場し、毎試合90分プレーできているようだ。
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ビジュアル化〜新たなるサッカーデータ活用法〜
“We collect most of our data ourselves. Data by Opta and others not really useful for our kind of work.” —Michael Niemeyer, FC Bayern
データとは非常に面白い。昨今のサッカー界はデータ革命が進んでいる。
だが実際にどのデータを使うべきなのか議論がされ続け、クラブや国によって大きく異なっている。
これからデータはどうなっていくのだろうか。
FacebookやTwitter等のSNSで発信されるデータには以下のようなものが多い。
VIDEO: We made the slowest XI and fastest XI on FIFA and put them against each other - https://t.co/HbW0VX24XC
— Squawka Football (@Squawka) 2017年6月24日
Only gold cards allowed. ✅ pic.twitter.com/dsSMf7PTjf
From analysis, to game model, to training exercises@JudahDavies details his preparations for 5 a side tournamentshttps://t.co/7ZoEnV9MAN pic.twitter.com/wtssVI2Mz9
— Spielverlagerung.com (@spielvercom) 2017年6月22日
でもコーチとして実際にこれらをどう活用して良いかも不透明であまり意味がないのかもしれない。
フィールドにはこういったデータよりも大切なことがあるはずだからだ。
例えば、誰がメッシがゴールする前にスペースを作ったのか、セルヒオ・ラモスがあのポジションにカバーに入っているからネイマールはドリブルを選択しなかったといったことだ。
ではこれはどうであろうか?
こういったビジュアルビデオを見ることでフィールドで起きていることが全てわかる。
おそらく退屈なデータが並んだ画像よりもこのビデオ見たいはずだ。
ゴールシーンにおけるテキスト速報よりもハイライトビデオを見たいのと同じ感覚だ。
ではこういったビジュアル化されたものをどう活用するのか、どのような視点を持つべきなのかということだ。
4つの視点を見てみたい。
1、数的優位
簡単にこの映像について説明すると、ボールを持った選手が立つラインとゴールラインで作られたスペースの中に何人の数的優位が作られているかを表している。
上の数字がその数を表しているわけだ。
2、マーク
‘If I have to make a tackle then I have already made a mistake’ — Paolo Maldini
それぞれのDFから最も近い相手選手を結んだもの。もしくは各選手(守備側)の対処できるスペース。そのスペースに攻撃側の選手が入った瞬間、マークしていることになる。
3、フリーランニングとパスの選択肢
ここではマークされていない選手、フリーランニングが上手くいきボールを受けることができる選手がパスの選択肢となる。
4、パスの質
赤色が実際のパスで、黒色がパスの選択肢。
今回は4つの視点が紹介されているがこのデータ分析方法(ビジュアル分析)はますます取り入れられはずだ。ヨーロッパのビッククラブではすでに取り入れられているとか。
サッカーを良くするためにできることをする。ヨーロッパを始め、世界はどんどん進化しているようだ。
引用
選手が自分を理解する前に、まず先にコーチが選手を理解しろ
リーグで優勝し、CLリーグで勝つことを目的にトレーニングしていけばそれは叶うはず。
そのためには特別なビジョン、特別なプログラム、特別な知識が必要であろう。
魅力的な選手を育成し、トップのパフォーマンスを演じられるようにする。
サッカーとは何かを理解させること、プレーを選択できるようにすること、理想的なコンディションのもと、フィジカル、技術を伸ばしていく。
それを個人個人で追って、その選手にも24時間考えさせることが大切である。
また選手たちはハイテンポなサッカーの中で、様々なバリエーションで、ダイナミックで、イニシアチブが握られたクラブや組織の中で学んで行くべきた。
逆を言えば、そうでなければ学べることは少なくなるであろう。
ハイパフォーマンスの文化とハイテクで豪華なファシリティとは全く関係ない。オランダAZ育成コーチ
いかにビジョンを持ち、プログラムを作り、それを試行錯誤していくか。
いかに選手一人一人と向き合っていくのか。
これが全てのペースとなるであろう。
選手、コーチのマインドを変え、信念を変え、日頃の態度・振る舞いを変えていくのだ。全ては勝つために。
そんな選手に向けたAZの6つの原則
1、始めたからには最後まで、照準をプライスに向けろ
2、自分のハードルを上げろ、そして、高い期待と厳しさをもて。
3、常に向上する余地があるか探せ、そしてそのプロセスにフォーカスしろ。
4、人々に責任を与え、独自の成長とその成長過程の方向性を示せ
5、クリエイティブさと問題解決の思考を刺激しろ
6、アンコンフォータブルを探し、挑戦しろ
オランダ代表ロッベンがブラジルワールドカップのコスタリカ戦で延長前にチームに語ったビデオ。
これは選手がイニシアチブをとり、特別な選手の良い例かも。オランダ語で何言ってるか全く分からないけど。グーグル翻訳で『彼らは壊れている』と訳せましたが。
2014: Netherlands 1-0 Costa Rica
こう言った選手を育成したいということだろう。
AZは選手に向けたものではなくコーチに向けたアドバイス、原則もあるようだ。
1、選手が自分を理解する前に、まず先にコーチが選手を理解しろ
2、選手の底から湧き出る本当のモチベーションを探せ
3、正直に接しろ、言い訳を並べるな
4、具体例を使え
5、成長できることを選手に信じさせろ
6、計画を立てろ。計画ないものに成功はない
コーチとしていくつこれを実行できているであろうか。
これも試合に勝ちたい、トップになりたいという思いからであろう。
ユリアン・ナーゲルスマンから学ぶ Part3
photo:http://www.bundesliga.com/en/
コーチングの30%は戦術的なこと、そして70%が社会的な能力によるもの。
そう述べているナーゲルスマン。意外である。
ナーゲルスマンは戦術の愛好者ではなく、むしろ人のマネージメント、チーム間における心理的属性と共生がより重要だと考えているようだ。
選手たちは選手ごとに異なった方法でモチベートされ、それにそれぞれ対応することが大切。このレベルの選手たちは心理的な側面が良ければきちんと整備された戦術の中でしっかりと良いプレーができることを確信している。ナーゲルスマン
特にシステムについて語られることが多いであろうナーゲルスマンにとってこれは監督という役割において小さな事柄のようだ。
トゥヘル(ドルトムント元監督)の弟子であることから彼のサッカー感が垣間見れる。
私は相手のゴールの近くで攻撃することが好きである。なぜかと言うと相手ゴールの近くでプレーしていればゴールへの道が遠くないからである。スペイン、ビジャレアルのプレーが好きで、彼らは若い選手たちのために素晴らしいコーチング方法を持っている。バルセロやアーセナル、特にベンゲルの仕事、サッカーが好き。ナーゲルスマン
だからと言って彼はポゼッションサッカーの愛好者でもないようだ。
それはデータからも読み取れる。
■2016/2017 ホッフェンハイム スタッツ
ポセッション率:53%
パス成功本数:12241本
前方へのパス:63.8%
後方へのパス:32.2%
■2016/2017 バイエルン スタッツ
ポセッション率:61%
パス成功本数:18438本
前方へのパス:61.8%
後方へのパス:38.2%
データ引用:http://www.squawka.com/news/
こうしてデータで見てみると本当にわかりやすい。
他のデータからも彼のサッカーを発見できるかもしれない。
ナーゲルスマンの探求はまだまだ続く。
合わせて読んで頂ければ幸いです。
ガンバ堂安律 オランダ経由プレミア行き
昨日、ガンバ堂安律のオランダ、フローニンゲンへの電撃移籍が発表された。
PSVやAjaxが目をつけていたようでここにきてフローニンゲンへの移籍である。
フローニングってどこと言った感じであろう。
ようこそ堂安選手!来週フローニンゲンでお会いするのを楽しみにしています!
— FC Groningen (@fcgroningen) 2017年6月23日
@lovelovesoccer5 pic.twitter.com/9k46vPuGuP
彼はオランダで成功できるのであろうか。
フローニンゲンはオランダ最北端でかなりの田舎ですが、逆にサッカーに集中できて良いかもしれませんね。日系企業もありますし、そういった方々のサポートも得て頑張ってもらいたいと思います。
— 川合慶太郎/Keitaro Kawai (@jdreamkawai) 2017年6月23日
オランダは良くステップアップの国と言われているが、そのまま欧州トップリーグに移籍することができるのか、それとも1年後に日本に帰ってしまうのか。期待したい。
普通若い選手が海外に出て壁に当たるメンタルの部分はたぶん彼なら心配ない。成功期待します。
— 河治良幸 (@y_kawaji) 2017年6月23日
オランダ移籍の堂安が意気込み「死に物狂いでやってくる」…新天地の決め手は「熱意」(SOCCER KING)https://t.co/q4IrgBtGhm @YahooNewsTopics
そこで、実際にオランダからイングランド、プレミアリーグにどれくらいの選手が行けるのか、活躍できるのか少し調べてみた。
参考:Transfers per calendar day | Transfermarkt
オランダからプレミアリーグに移籍した人数
19のプレミのチームは7年間で39人の選手と契約を交わしているようだ。
VVV.VenloからSouthamptonに移籍した日本代表吉田選手もこの数に含まれる。
彼もオランダリーグ経由で成功した選手の一人だ。
その他にもLuis Suarez, Christian Eriksen, Jan Vertonghenも成功している選手として名前が上がるだろう。
獲得した各クラブの総数
Southampton, Swansea and Newcastleが上位のようだ。
各ポジションの総数
ミッドフィルダーが最大で7人。
この表からどう解釈するかはそれぞれだが仮に堂安選手がオランダリーグでミッドフィルダー(ウイングよりもトップ下が良いのでは現地メディア)としてプレーし、高いパフォーマンスを発揮し、結果を残すことができれば次のステップとしてプレミアリーグも夢ではないかもしれない。
ハイストラ 「私ならDonaは中盤の真ん中に置く。小さなスペースでこそ彼はベストの力を発揮できる。サイドで大きなスペースに溺れさせることは私ならしない」https://t.co/Qu0ewDHuZr
— Jonge Woud (@jongewoud) 2017年6月23日
争いを恐るな!
コーチとして同じ方法を使わない。違う方法で選手を鼓舞する方法を見つけろ。コーチとしてコーチとしてクリエイティブか。それが上手くいかなかったとしても同じ方法を使うのか。枠を超えて飛び抜けろ。
これはチーム育成のスペシャリストRené Felenの言葉である。彼はロナウド・クーマン(現エバートン監督)などを指導、アドバイスした経験がある。
彼曰く、重要なことはどのように成功し、どのように失敗と向き合うかとうことだ。それは選手も監督も変わらない。
そもそもトップにたつ人物とはどんな人物なのであろうか。
トップの人間はどんなに物事が上手く言ってたとしてもその先を見ているものであろう。どうすればもっと上手くいくであろうと考えているはずだ。そして、それを具体的にどうすれば良いか。突き詰めるはずである。
もしその行動が上手くいかなくても常にチャレンジをして前に進み続ける。リスクを犯し続けるのだ。これを恐ることは一切ない。トップになれない人間はここで恐れる。
チームの発達にはいくつかのステージがあるというRené Felen。
人は皆、生まれ持って心地の良い場所や環境(コンフォータブルゾーン)にいようとする。これはルーティーンワークとして行われる。
しかし、良いチームには常に刺激的で学べる場所が存在する。トップの人間はあえて心地の悪い場所や環境(アンコンフォータブルゾーン)に身を置こうとする。
そこで良いコーチ自分のチームではじめコンフォータブルゾーンを作ろうとする。そして、少しずつアンコンフォータブルゾーンを作り出していく。むしろ提供という言葉が正しいかもしれない。
チームに試練を与えていくのだ。
とは言っても全てのチームが成功するとは限らない。これを知っておくことが大切だ。
チームにはそれぞれアイデンティティーがある。もちろん、コーチたちにもだ。それぞれが尊いものでリスペクトされるべきものである。
ただ、時にそれはどんなことがあっても噛み合わない時がある。
これはお勧め本である。チームとは何かが書かれた最高の本。
ミケルスの「勝つチーム」作り トータルフットボール&バルセロナの原点
- 作者: リヌス・ミケルス,グリーン裕美
- 出版社/メーカー: 東邦出版
- 発売日: 2011/03/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
最後にチームの成長についてまとめておく。
1、チーム全員が礼儀正しい
チーム間やコーチと選手間では全く争いごとはなく、皆が礼儀正しくお互いと接し、チーム内に終始、和やかな時が流れている状態。選手たちはコーチや監督に関して文句を言ったり不満を言ったりすることはない。そこで監督は少しずつ刺激をフィールドで入れていく。例えば『なぜそんなプレーをするの?』と問いかける。
2、方向転換期
チームのベースができた後、ここで初めて争いをする。コーチングを引き金に争いをする状況を作る。多くのコーチはここから逃げ、コンフォータブルゾーンである1の段階に戻ってしまう。なぜ、ここで争いごとをするのかというと、この争いごとによって多くの人が口喧嘩をするはずだ。同時に多くのこと、多くの解決策を考えるはずだ。それがチームに良い刺激、良い状況を作り出す。
3、標準期
Win-winの状況が作られ、争いが解決される段階。それぞれが考えていることが共有され、常に仲が良いというわけではないが結束感がある。ここではチームの約束が決められチームのベースがさらに強くなる。
4、パフォーマンス期
ここが最後のフェーズ。チームがここまで来るとチームはすでに自立している状態である。コーチは少ない指示でチーム全体が動きだし、チームを良くしようとする。本当のチームができる上がるわけだ。
こちらも面白かったので是非!
金満クラブに勝つために
選手オリジナルのプロフィール作り
いつも、ある枠組みから出て考えたい。
その一つに選手を管理したり、成長させるためにオリジナルのプロフィールを作っている。その理由は明確だ。同じ方法ではアーセナルやチェルシー、バルセロナような金満クラブには勝てない。資金力が違いすぎる。
AZ アカデミーコーチ
そもそもクラブ強化の考え方として、金銭力を生かし、それを使って強化する方法。
または、ビジョンやプログラムを成熟させ、選手を育成する方法だ。
オランダのAZというクラブは後者を選択し、それに特別なタイプの選手の育成をするという視点を入れている。この特別なタイプの選手というのは認知能力とゲームインテリジェンスが高い選手のことを指す。
AZでは10年後この能力が最も重要になると考えているようだ。
スペースやボジションを即座に探したり、チームの戦術プランや敵を見てプレーすることができるようにトレーニングを行っている。
また、常にスタイルは変わるという。フォーメーションから戦術まで。コーチは選手からコンフォータブルゾーン(心地よい)を取り除き、意図的にアンコンフォータブルゾーンを作るようにしている。
時には4-4-2、3-5-2でプレーし、高い位置からプレッシャーをかけたり、低い位置からプレッシャーをかけるようにさせるわけだ。それによって選手たちの脳はどんどん成長していく。
トーレニングについて考える時、サッカーのシチュエーションでより複雑になるようにトレーニングを設定する。そして、そこでは常にパスをしろとは言わない。
これはサッカーではないと考えるからだ。サッカーにはドリブルもシュートもある。
新しいシチュエーションをどんどん作りだし、選手の脳を鍛えるのだ。
合わせて読んで欲しい。
Motoric learning(体で染み込ませる)
意図あるトレーニングのもとで選手たちがより効果的に効率的に学び、脳のコネクションを発達させることはより重要であることは明らかだ。
何か道具となるようなものを身につけることはより重要である。
例えばよくあるようなパスをしてトラップするトレーニング。これをすることでなんとなくトレーニングしているかのように思うかもしれない。
しかし、AZではこのようになんとなくトレーニングさせない。
選手たちには最終的に何かを達成させなければならないことを認識させる。
それは、
‘external focus’
キーワードはコーチングのようだ。
こういったトレーニングの際、コーチはパスをする選手にこうコーチングする。
『あなたはパスをしなければならない』
『自分自身がどんなパスをしたのか認識している?』
『パスを受けた選手はゴールに向かい点を取ろうとしていたか?』
そして、間違った選択をした時にはいきなり怒ったりはしない。
『なぜ、その選択をしたの?』
『他にも良い選択はなかった?
『この状況で2対1の状況は作れた?』
こんなコーチングや対話をすれば体罰をしている暇もないかもしれない。
どうやって質問するべきかコーチも常に頭をはりめぐさなければならないからだ。
生物学的年齢と暦上の年齢
AZではU12チームからアカデミーチームがスタートする。
それ以下の年齢は様々な地域でスクールを運営している。もちろんAZのメソッドを使って。
なぜU12以下のアカデミーチームを持たないかというとこの年代においてAZでは20人のベストな選手よりも200人のベストな選手を育成したいと考えているからだ。
そして、彼らは週1回〜2回スクールでトレーニングし、所属する地域のアマチュアクラブで同様にトレーニングし、試合をした方が効率が良いわけだ。
それによって良い選手をスカウトできる可能性がより高まる。
ここでもし予想をはるかに超えて良い選手がいた場合、その選手は常に質問されながらトレーニングしてきたか、年齢の高い選手たちとトレーニングしてきたかのどちらかだと考えられる。
AZでは生物学的な年齢と暦上年齢を分けて選手をプロファイリングしている。
1月生まれと12月生まれでは約1年の差がある。発達著しい子供たちにとってこの開きは多きい。(オランダでは生まれ年でチーム分けしているようだ)。そうなると体が発達しているであろう1月生まれの選手がこのチームで優位に立ってしまうわけだ。この選手は、体が強いだけでAZが大切としている認知能力とゲームインテリジェンスを発達させることが難しくなる。それでは選手を育成できない。
そこで14歳を例にすると、AZでは、週2回、体が発育していれば15、16歳のチームでトレーニングし、小さければ13歳のチームでトレーニングさせて調整を図っているわけだ。そして、このデータはプロファイリングされクラブ、選手の財産になっていくわけだ。
こちらを参考にしてもらえればより理解が深まるかもしれない。
世界はどんどん前に進んでいるようだ。