ママさん、全ての子供はメッシではない。
ヨーロッパでは、バカンスを経て、8月ごろに新しいシーズンが始まる。日本では2月か3月であろうか。もしくは上級生が引退した時点かもしれない。
そのタイミングで全ての選手が高いレベル、強いチームに行けるわけではない。
そんなことを子供や親に伝えるとき、いつもあるボールはそこにないであろう。
そして、そこには失望という言葉が彼らを包む。
「君は、トップチームには昇格できない。」
ではどうやってそんな話しをすれば良いのであろうか。
隙間を与える
結果を伝える際、失望というものはその空間にあっても良い。ただ、コーチ、監督から「怒り」だけはそこにあってはいけない。そして、こう説明する。
「残念ながら、君は来シーズン、上のチームでプレーできない。ただ、これからも一生懸命トレーニングすれば君の能力はもっとあがる」
全てを否定してはいけない。選手たちにはこれからも可能性が大いにあるからだ。
サッカーにおけるこのような残念な瞬間は、失望だけでは終わらず、実は学びの時間にもなる。
失望という感情とどう向き合い、どう対処するべきかというものだ。
まずその選手の両親はこれを受け入れることは非常に難しいであろう。彼らは自分の悲しませるのではなく、喜ばせたいはずだからだ。しかし、挫折や不満はあなたが思っているような結果は産まないであろう。どうしたって選手たちはそれを受け入れなければならないからだ。
ただ、これを受け入れられない選手、親もいる。コーチ、監督に向かって怒りながら質問して来るはずだ。
「なぜ俺なんだ?」「なぜうちの子なんですか?」
ここでコーチ、監督の挑戦が始まる。そこに偏見やいい加減な選考がなければ、何があったとしても、その選手はその失望を受け入れなければならないはずである。コーチ、監督はそれを胸に秘めながらゆっくりと説得していけば良い。
そして、こう説明して欲しい。これは挫折を学ぶタイミングだと。
挫折というものを学ぶ
選手のために他のクラブを探す。これは、本当にその選手のためになるであろうか。
答えはノーだ。
親が子供のために抗議することは本当に子供のためになりであろうか。
答えはノーだ。
こういった状況の時、選手は学ぶのだ。
「僕は上のチームに行けなかった。じゃあ這い上がれる他の方法を考えよう」
選手たちは挫折することをここで学ばなければならないし、学ぶことができる。
この瞬間をその両親と共に共有し、共感し合えたらそんな素敵なことはないであろう。
両親にとってもこれは受け入れがたいはずだと先ほど述べた。
それも理解できる。やっとそのチームで、そのチームの親たちと馴染むことができ、これからもっとというタイミングでこのチームを離れなければならないからだ。また、1からのスタートである。
そんなとき、コーチ、監督はその両親に優しく問いかけて欲しい。
「子供を見て欲しい。彼らはこの挫折ともう戦い始めているはずだ。」
こんなことを考慮しながらコーチ、監督は失望的な、残念な話しをして欲しい。
それが子供の未来に繋がるはずだからである。
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育成における大きな間違い
タレント、才能とは何か?
この分野に関して、まだ自分たちは大きな間違いを犯してはいないだろうか。
才能発掘と才能識別の違い
育成年代の代表チームや地域選抜のチーム、つまりセレクションチームに入るためにはその選手は結果を残していなければならない。(タレントチーム、才能発掘)
すなわち、こういったセレクションチームに入るためには結果が必要である。
これは才能発掘という概念に目を向けたもので、この観点で選手を選ぶことは簡単である。
では才能識別とは何なのか?才能識別という概念に目を向けているチームやコーチ、監督は多くはいないだろう。(むしろ皆無かもしれない)。戦術、フィジカル、技術、メンタルにおけるポテンシャルからタレントかどうかを判断するのだ。この観点で選手を選ぶことは非常に難しく、それはまさに芸術であろう。
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体が大きくて、速くて、強い選手は腐るほど存在する
このような選手たちは大人の選手たちとよく比較されている。フィジカルだけではなく、メンタルについてもだ。
当たり前のことだが若い選手はあらゆる側面を成長させるためには十分な時間が必要である。しかし、多くの場合、これらは忘れられてしまう。
若い内にタレントと認められた約70%の選手たちは13歳ごろまでにそのスポーツを辞めてしまうと言われています。ただ実際のところ、その後、自律性を養うことができるのだが。。。
スポーツ選手たちは若い頃に本当にテクニックのトレーニングに時間を費やしている。
ただこのプロセスは全て、成長のためしょうがないともいえる。
才能識別において難しいのは、時間という概念だ。
ここに興味深い研究がある。
Piotr Unierzyskiによって1994年から2002年に、12歳から13歳のテニス選手1000人を対象に50か国で行われた研究である。実はRoger Federer, Kim Clijstersもこの研究対象の中に入っていた。
https://www.facebook.com/piotr.unierzyski
そこから現在のトップ100の選手が12歳13歳の時にどんな選手だったかという内容で結果は公表された。
その研究結果はこちら。
- 彼らは同じ年代の選手たちよりも3ヶ月から4ヶ月、若かった
- 彼らは同じ年代の選手たちよりも体が小さく、弱かった
- 彼らは速くて、テクニカルであった
- 彼らは同じ年代のトップの選手たちよりも試合数が少なかった
- 彼らは同じ年代の選手たちよりも平均トレーニング時間が2〜4時間短かった。
- 彼らの両親はサポートはしたが、強要することはなかった。
最近のラグビーとクリケットの研究でも同じような結果が出たようだ。
こういった研究から才能発掘の方法についてまとめてみよう。
1、質の高いコーチングを晩年まで与え続けろ
2、全てのカテゴリー(年代)に全力を注げ
3、勝つことに固執するな
4、木ノ実もしっかり観察しろ(才能識別に目を)
才能識別というアプローチで選手を育成することは難しいことだがこの視点を持つことで眠った才能を育成することができるはずだ。それは多くの研究が表している。
何をどう見るかに関してはいまだ研究が進められているはずで具体的に上げることは難しいのが現状であろう。
ただ、育成において勝敗における結果が全てであろうか?そうではないはずだ。
育成、アカデミーの目的は素晴らしい選手をトップチームに送ることだ。それを決して忘れてはいけない。
未来ある子供のためにできることを全力で。
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サッカーをカオスにしているのは我々だ。
サッカーはカオスになっている。
チームのレベルを上げたければ、あなたは自身もあなたが選手に要求しているような振る舞いをしなければならない。チームに対して100%、期待をしているならばあなた自身はもう後ろに下がってはいけない。常に学び続けなければならない。あなたは学び続けていますか?
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サッカーが全ての出発点でなければならない。
なぜサッカーが出発点にならなければならないのか?
プレー自体がWhatになり、プレーを実行できるようにするためのトレーニングはHowになる。
例えば、スポーツを批判的に見た場合、その内容は主観的であろう。
よく考えればこれは本当に不思議なことだ。
これはパイロットにおいても当てはまるであろうか?もし彼が主観的な意見によって操縦すれば飛行機は落ちてしまうかもしれない。
しかし、サッカー界では本当に主観的な批判や意見が多い。
結果、主観的なもの(意見)と主観的なもの(意見)が重なり合い、もう手が付けられなくなってしまう。
つまり、カオスだ。
サッカーを構造的に、客観的に捉えなければならない。
専門用語
専門用語に統一性がない。しかし、それがしっかりしていればサッカーのフレームワークや条件が障害となることはない。これはサッカーにおいて当然のこととならなければならない。
サッカーを出発点とすることで全ての人がサッカーのプレーについてコーチングすることができる。
どのようにするかは(統一するかしないか)コーチ、監督自身が決めることができる。
メンタル
サッカーを語る要素として、戦術、技術、フィジカル、そしてメンタルが上げられるだろう。メンタルの解釈は哲学者、心理学者の考え方からきているはずだ。1700年代に彼らが、肉体と精神について唱え、そこからフィジカル、メンタルが来たのだ。すなわちこれは、二元論である。
これは正しいフレームワークであろうか?精神とは体のことだろうか、もしくは体の一部であろうか?
体の一部であるとしたら、メンタルという言葉を使うときに首に話しかけているのと同じであるかもしれない。
戦術的に強い?
そして、もう一つ気になるのは、「戦術的に強い」選手といった表現だ。
コーチ、監督は良い選択をできる選手のことを指すことが多い。しかし、サッカーにおいてはチームのためにプレーを実行するはずである。
ボールが足元にあるとき、選手は情報を集める。味方の選手や敵の選手の情報だ。
選手間のコミュニケーションは戦術のトレーニングによって向上させることができる。
コミュニケーションについてはこちらを。
得た情報を元に選手たちはプレーを選択し、実行する。
戦術は2人以上で実行されるものです。戦術的に優れた選手から構成されてはいない。
良い選択をできる選手は、認知能力が優れているのであって、それが戦術的に優れていることにはならないはずだ。
サッカーを構成する要素
多くのコーチ、監督が誤解している。
サッカーを構成する要素は戦術、認知、技術である。ではフィジカルは?
答えはノーだ。フィジカルはサッカーを構成する要素にはならない。
コミュニケートして、選択をして、それを実行する。それがサッカーだ。
皆、それを試合の時に何百回もしたいのだ。そして、相手にそれを何度もさせたくないのだ。
コンディショネールは走ることではないし、限られたエネルギーシステムでもない。
また、コンディションが意味していることは、可能な限り長くアクションを実行することである。
よって、フィジカルは4つ目の構成要素にならず、戦術、認知、技術と並べて考えてはならないということだ。
サッカーから考えるということ。
私たち、コーチ、監督はサッカーを向上させたいという思いで、科学から多くのことを学ぶことができる。
心理学、ピリオダゼーション、栄養、リハビリテーションなど。ここで問いたいのは、どのように日々、提供されるこの知識、情報を使いこなすのか、こなしているのかということだ。
伝統的にその科学からの知識、情報はサッカー界に投影されてきた。例えば、心理学からサッカー界にというふうだ。
しかし、これではまたおかしくなってしまう。またしてもカオスだ。
そこでは心理学の難しい言葉がサッカー界で飛び交うわけだ。私たちはサッカーの話をしたいにも関わらずだ。
サッカー界には、さまざまな科学分野からの文脈自由なコンテナの概念が入ってきてしまっているのだ。
よってここで大切なことはサッカーを出発点として、そこから様々な分野の知識を取り入れなければならないということだ。
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全てのコーチは意識的もしくは無意識的に期分けしている
photo:thesefootball times
フィットかつフレッシュ
全てのコーチは意識的もしくは無意識的に期分け(ピリオダイゼーション)しているはずである。
誰が試合後に選手をスプリントさせるであろうか?
誰がハーフタイムに選手をスプリントさせるであろうか?
普通に考えればそれはほぼありえないことであろう。
スターティングメンバーに試合後、トーレーニングやスプリントをさせることは大いにあるであろう。
コーチや監督にはある定理があるはずだ。
全ての選手のプレーの質をより良くし、フィットさせ、フレッシュな状態にしたいというものだ。
それらのレベルは普通、シーズンが終わりに近くにつれて良くなっていなければならない。ピリオダイゼーションモデルの原則(レイモンド・フェルハイエン)ではプレーの質、フィットかつフレッシュというものがお互い得られるということで良い手段となるはずだ。
しかしながらこの原則はそれぞれ監督、コーチによって調整されなければならない。
例えば、試合のプログラム、天気、フィールド条件、選手の年齢や質などがあげられる。それぞれ見ていこう。
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試合のプログラム
試合のプログラムやカップ戦のプログラムは基本的に自分で日程を調整することは難しいであろう。ただ、練習試合は可能である。原則として平日に行われる試合はトレーニングによって調整されなければならない。トレーニングの周期を1週延期しなければならない。トレーニングのサイクルを6週間ではなく7、8、9週間にしなければならないということだ。ここで一つの提案だけれどもweek2,week4,week6の後にそれぞれ練習試合を入れると良いであろう。
天気、フィールド条件
全てのコーチ、監督は天気とそのフィールド条件を考慮しなければならない。
普段の乾いたフィールドよりも濡れたフィールや凍ったフィールドの方が当然、選手にかかる負担は大きくなるわけだ。
こういった状況ではエクストラで刺激が必要かもしれないし、新しいトレーニングをする必要はないかもしれない。
また、使えるフィールドが大きいかもしれなし、小さいかもしれない。
選手の違い
全ての選手は同じではない。これは大前提の話である。
年齢、怪我の状況、ポジション、生まれやその文化も影響してくる。
そして、この違いによって全員をフィットさせることは難しくなるのだ。
またクラブによっては、プロ選手、社会人、アルバイト、学生などそれぞれの生活状況も監督、コーチは考慮しなければならないであろう。
個人個人でピリオダイゼーションのメニューをこなすことは良いかもしれないが、それは準備をしっかりと行うことが重要だ。
なぜならコーチ、監督は何人の選手がトレーニングに来て、どれくらの負荷を与えるべきか知っているはずだからだ。
フィットした選手は全てのメニューをこなすことができるはずで、フィットしていない選手は1セットか2セット少なくて良いであろう。
サッカーのレベル
「彼らは足が重そうだ」「彼は下を向いて走っているぞ」
それはなぜか?それは彼らが昨シーズン、リーグで優勝し、昇格したから?もしくは、ベストな選手がプレーできない?それとも移籍してしまったから?
こういった場合、トレーニングの負荷や頻度を増やすことはこの問題の解決にはならない。そんな時はニュートラルweekを入れて、トレーニングの負荷を調節するのだ。ここでも6週間のサークルを7週間にするということである。
怪我の連続
「今週、非常に厳しい戦いをしましたか?」
もしこういった試合の後でこの試合の負荷に関して考慮することなく試合を行えばどうなるか?選手に疲れが溜まった状態でのトーレニングになることから怪我をしやすくなる。肉離れや膝の怪我が多くなるはずだ。
ここではしっかりコーチ、監督がこれを考慮し、負荷を落としたり、ニュートラルweekを作らなければならない。これは決して悪いことではない。
育成から昇格した選手
そのシーズンに育成から昇格した若い選手にとってトップチームでの試合やトレーニングは非常に負荷が高い。
この若い選手はアカデミー時に週4回トレーニングし、今現在、トップチームでトレーニングを5回していたとしたらこれは本当に負荷が高い。これを続ければ怪我をするのも時間の問題である。
よってコンディショニングトレーニングには参加させずに戦術のトレーニング、技術的なトレーニングにのみ参加させることが得策であろう。期間としては半年が望ましいであろう。そうやって徐々に負荷に慣れさせるのだ。
競争のスポーツ
サッカーは競争のスポーツで、選手たちは試合でベストを尽くさなければならない。決してトレーニングでではない。これはコーチ、監督によってコントロールされなければならない。これが重要なことである。
そして、ピリオダイゼーションが目的になってはならない。ただ、この方法論は非常に素晴らしいものである。
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コミュニケーションが上手く取れない選手は戦術的に秀でることはない
あなたはコーチ、監督として選手間の戦術的なコミュニケーションをどう育む?
もしくはそこでのコーチ、監督としての役割は何?
コミュニケーションが上手く取れない選手は戦術的に秀でることはない
よくサッカー界においてメンタルやフィジカルという言葉を耳にする。
試合に負けた後、「自分たちはメンタルが弱い」といって本質から逃げるような形でこの言葉が使われる。(非常に曖昧な言葉であるメンタル。この言葉をこれ以上、使っても良いのであろうか。)また、フィジカルという言葉もよく耳にする。「フィジカルが強い」「フィジカルコンディションが良い」などだ。
ではコミュニケーションは?試合後にコミュニケーションがについて話されることはあるだろうか。「連携が悪かった」というのはコミュニケーションの一つであろう。声を出すことだけがコミュニケーションではないはずだ。
今回はそんなコミュニケーションについて。
まずこれを読んで欲しい。
グラウディオラ
来る日も来る日も選手たちはコーチ、監督とトレーニングをしているはずである。
よく言われるのがグラウディオラは2回もワールドチャンピオンにさせたというものだ。
2010年のスペイン代表、2014年のドイツ代表だ。
スペイン代表は主にバルセロナのメンバーで構成され、ドイツ代表はバイエルンのメンバーで構成されたチームだった。当時、グラウディオラはそれぞれのクラブで監督をしていたわけだ。
常に一緒にトレーニングをしていることでお互いのプレーに予想が付きやすく、いつどのタイングでボールが来るかがわかるのだ。つまり、これはボールを扱う、動かすアクションのスピードが速くなることを意味している。また、ミスコミュニケーションやミスの数も少なくなる。
これはワールドカップの準備期間では中々到達できないレベルである。
2010年のスペイン代表、2014年のドイツ代表は、共にコミュニケーションレベルが非常に高かったと言える。
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情報を集めるということ
監督、コーチ、選手は選手それぞれの選手情報を集める。さらにはフィールドの状況の情報も集める。 例えば、敵がフィールドのどの位置に立っているかというものだ。
これは、プレーの選択をするために必要なことである。
また、情報を集め続けることで、次に何が起こるかを予測することができる。
さらにはシチュエーションのメモリーが集まり、相手がどのようにプレッシングをかけてくるのかといったことなども把握しやすくなり、その状況を打破することができるようになる。
サッカーにおいて正しく同じ状況は起きないが、それに近いものは起きるはずだからである。
コミュニケーションの方法
チーム内におけるコミュニケーションは様々である。
ある研究によるとコミュニケーションは7%が言葉から、38%が声のトーン、55%はノンバーバルコミュニケーションから成り立っていると言われている。
ノンバーバルコミュニケーションの例として、敵の動作、ボディーランゲージが強いとそれを見た選手は少し自信を失ってしまうというものだ。
また、情報の量やタイミング、選手たちにマッチした言葉かどうかなどもコミュニケーショレベルに関わってくる。受け取る側の考え方や信念などのフィルターがかかっていることでコミュニケーションを難しくしてしまうこともあるだろう。
コミュニケーションの方法について簡単にまとめたが、ここで何が言いたいかというとノンバーバルコミュニケーションによってお互いのコミュニケーションはかなり磨かれるということだ。これは言葉が必要ないゆえにコミュニケーションをより速く構築することができる。
レイモンドの言葉を借りてサッカーの具体的な話をするとこうだ。
身振り手振りで意思表示をする方法もあれば、走る方向、パスのコース、強弱など、自分の考えを相手に伝える方法は無数にある。このように言語的、非言語的なコミュニケーションをとることで、選手同士はお互いにいまどのような状況かを認識し、共有する。そして戦術をベースとし、選手達はアクションを起こす。
コーチ、監督の役割とは?
それでチーム内でのコーチ、監督はコミュニケーションを取る際にどんな役割を担えば良いのか?
多くの情報を厳選すること。そして、一般的な方法では実行しないことである。
「右、左、落とせ」といったアクション言語というものを使うのだ。
基本的に脳はそういったアクション言語に反応するようになっている。
しかし、「集中しろ、ボールを繋げ」といった抽象的な言葉には反応しないようになっているのだ。
そして、チーム内では簡単な共通言語を使うのだ。
ビルドアップ、得点する、ボールを奪う、ゴールを守るといった具合に。
否定的な言葉を使うこともなるべく避けた方が良い。これもまた脳が反応しないようになっているからだ。
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選手のモチベーションをかきたてろ!
様々な競技において成功した多くの選手は専門的なトレーニングを通じてその競技に必要な技術を手に入れてきた。
技術獲得の観点から、反復というファクターはプレーヤーを供給するで非常に重要である。
ただ本質的に反復することは、単調で中々夢中になることは難しい。
永続的なタスクの実行、コンディション調整、トーレニング内で戦術の確認・調整のほぼ繰り返しである。常に同じ方法、同じものを繰り返されたならそれは非常につまらなくなってしまうわけだ。
そこでどのように選手たちを興奮させ続けることができるのか?
選手たちにどのようなスイッチを入れると学び続けてくれるのか?
答えは内なるモチベーション
Deci et al, 1981, Mitchell, 1996の研究によると先生のある振る舞いは学生の内なるモチベーションに影響を与える重要なキーファクターとなるとしている。
内なるモチベーションとは楽しくて満足感を味わえるものとして自分から行動することができるものとして言及されており、Vallerand and Rosseau, 2001の研究ではスポーツにおいて楽しんだり喜びを感じながらプレーすることはパフォーマンスに重要な影響を及ぼすとしている。
また、Chelladurai’s (1980)のリーダーシップにおける多次元モデルではパフォーマンスを最大限発揮することにおいて実際のコーチの振る舞いと好ましい行動と必要不可欠な行動は大きく関わりあっているとしている(Hoigaard Jones and Peters, 2008)。
いくつかの研究(Black and Weiss, 1992, Chelladurai, 1984; Cote and Sedgwick, 2003, Hoigaard, Jones and Peters, 2008, Mageau and Vallerand, 2003, Mitchell, 1996, Potrac, Jones and Cushion, 2007, Ryan and Deci, 2000, Weiss & Friedrichs, 1986, Westre & Weiss, 1991)でもモチベーションの度合いとコーチの行動に対する選手の認識の重要性を強く強調している。これに伴い自律的支援学習環境という概念が形成された。
自律的支援学習環境はコーチ、監督が選手の自主性に重きを置き、自主的に問題を解決させ、決定事項に関して彼らが参加するというものだ。この選手の自主性に重きをおいたコーチングのアプローチは選手のモチベーションを作りだすと言われている。
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つまり、選手のモチベーションとコーチの振る舞いは大きく関連性があるということだ。
こういった研究によって、監督、コーチはどのような要因が自分の選手が最高のパフォーマンスレベルを作り出せるかを理解するための枠組み、考え方が示され、また学習環境内においてどの要因が選手のパフォーマンス向上に役立つかを教えてくれる。
アスリートのパフォーマンスの最大化とモチベーションの度合いの成長に役立つ1つのコントロールが可能な要因、それはコーチングの方法である。
Black and Weiss (1992)は多くの情報を供給し、好ましいパフォーマンスに対して褒める監督、コーチは高いレベルを楽しみ、努力し、認知能力に長ける選手と深い関連性があると述べている。
また、Similarly Cote and Hedgwick (2003)は選手の自主性は高いレベルの技術指導、褒めることができ、選手を助けること(支援)ができるコーチによってより促されると述べている。さらに、監督、コーチによるフィードバックの供給やそのタイミングによって選手のモチベーションが高まるかどうかに関して大きな影響を及ぼすとしている。
さらに、Ryan et al (1985)によるとポジティブでパフォーマンスの良し悪しに関するフィードバックは選手の認知能力を向上させるとしている。モチベーションの度合いも大きく引き上げるとしている。
つまり
様々な研究を例にあげてきたが、高い競争下にある育成年代やエリートスポーツにおいて、コントロールできる行動の重要性を理解することは未来の監督、コーチにとって大きな要素を占めていると言える。
ここではコントロールできる行動、コーチングについて取り上げたわけだ。
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育成は結果を導くが、結果は育成に必要ない
ユース年代において勝利、結果は必要かどうか、どんな役割をしているかについての議論は今もなお、続いている。
育成年代のコーチが試合に勝つことは重要か?
この問いは常にされてきた。
この答えはあるのだろうか。
この問いに簡して、育成年代における目的、なぜアカデミーチームが存在するのか?アカデミーチームにおける重要なポイントは何か?という問いに答えていけば自ずと答えは出てくるのではないであろうか。
私たちがアカデミーや学校を持っている理由は、ただその子供を成長させたいからであろう。どのタイミングがこのアカデミーや学校で彼らが成功したと言えるであろうか。
学校で言えば彼らがこの学校を卒業した時であろう。
サッカーにおいてはどうか?
それは彼らがサッカー選手になった時であり、彼らの夢を成し遂げた時であろう。
よってプロのアカデミーに入ることは、プロになるための一つのフローであると考えるわけだ。
では育成年代にとって勝利はどんな役割を果たすのであろうか?
サッカーとはゲームであり、ゲームとは勝つためにする。
これに関しては議論する余地はない。ただ、育成年代においてはこの勝利というものが挑戦を意味することがある。これは監督、コーチによる選択に大きく影響する。
例えば、選手たちをその監督、コーチの色に染め、トーナメントの決勝まで行ったとしよう。
決勝戦においてどの方法でプレーさせる?
A ベストな選手だけでプレーさせる(勝利にフォーカスする)
B 全ての選手をプレーさせる(育てること、経験させることにフォーカスする)
もしAの方法を選択した場合、これは育成ということに目がいっていないことを意味しているわけではない。しかし、この監督、コーチにとって勝ち負けは育成よりもとても重要であることを意味している。
ここでBの方法を選択した場合、これは勝利することに目がいっていないことを意味しているわけではない。しかし、この監督、コーチにとって育成することは勝ち負けよりもとても重要であることを意味している。
アカデミーの目的は何か?
それは プロのサッカー選手を育成することである。このアカデミーという組織はそれを可能することがあるであろうし、そいいった集団でなければならない。
つまり、アカデミーにおいて育成するためには?ということを前提にものを考えなければならないのだ。
専門家の意見は?
Rasmus Ankersenはタレントに関してトップアスリート量産地に学ぶ 最高の人材を見いだす技術でこう述べている。
タレントは2つに分けられる。
A shouting talentは成長するポテンシャルがあり、かつ各年代の大会で勝つことができるタレント。A whispering talentは成長するポテンシャルがあるが、各年代の大会で勝てるとは限らないタレント。よってタレントと定義するにあたって重要なことは、試合に勝てる能力があり、よりよくなれることである。決して試合に勝てたり、今現在ベストであることではないのだ。
全力を出し切るということ
こんな比喩がある。『馬は速く走ることができる。しかし、走る必要はない』
馬はレースなどの必要にかられないと走らないという意味だ。
ただサッカーをする子供たちはどうか?
彼は常に全力で戦い、勝とうとする。育成するということにおいてはパーフェクトな状況である。
育成する、成長するとはまだできていない何かができるようになることを意味している。その人のボーダーラインを超えさせるわけだ。
それでは試合の結果は私たちに何を教えてくれるだろうか?
おそらくその日に勝ったチームが特別であったということだけであろう。
将来、彼らがプロのサッカー選手になれることを示してくれるだろうか?
答えは Noだ。
勝利にフォーカスした結果と育成にフォーカスした結果
2014年に O’Rourke, Smith, Smoll, & Cummingは9歳から14歳の水泳選手を対象にある調査・研究をした。監督、コーチが勝利にフォーカスした結果と育成にフォーカスした結果、自尊心、内在的モーチベーション、恐怖心にどのような影響を及ぼすのかというこものだ。
コーチが勝利にフォーカスした結果
⇨自尊心、内在的モーチベーションが低く、恐怖心が高くなった。
育成にフォーカスした結果⇨
⇨自尊心、内在的モーチベーションが高く、恐怖心が低くなった。
またJaakkola, Ntoumanix, Liukkonen (2016)も育成にフォーカスをおいた指導に重きを置くことでより選手たちが高いレベルでより楽しさが増すということを発見した。(17歳のアイスホッケーチーム)
さてこの結果を得てコーチ、監督は何を思うのか?
結論
子供を育成することはアカデミーのゴール、目的である。
そこで勝利にフォーカスを置く?それとも育成にフォーカスを置く?
もう答えは出ているであろう。
勝利にフォーカスするよりも育成にフォーカスをおいたチーム作り、育成をした方がプロ選手は生まれやすい。これは自信を持って言える。
育成は結果を導くが、結果は育成に必要ない。
例えその時、試合に勝てなくても迷う必要はない、良い選手を育成するという信念を持っていれば必ず良い選手が生まれるはずだ。
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各年代の特徴とトレーニング留意点 11歳から17歳まで
前回は7歳から11歳までの特徴をまとめましたが今回はまとめて11歳から17歳まで。
11歳から13歳に必要なこと
■この年代の特徴
・この年代の選手たちは、自分のプレーについて批判を取り入れることができる。これは特別なことである。
・楽しむ、楽しいということ以外にも注意を向けることが出来る。
・個人的なアプローチを監督、コーチから受けることを喜ぶ。
・好奇心旺盛で、強いモチベーションを持っている。
・彼らは熱しやすく、親しみやすい
・彼らは誰かと共にプレーすること、コンビネーションプレーをすることが出来る。
・テクニックを学ぶことに適しており、何かをまねすることに長けている。
・何かを真似したいという衝動を持っている
・度々、“自分は出来る”という過信に陥る
■肉体
体を自由に扱うということができるようになる。ここではコーディネーションに力を入れるべき
■注意すべきことと出発点
・彼らはボールを前に行かせてたくなり、自分の側においておくことは難しい。
・出来る限り速く、ボールを自分で支配、コントロールすることが重要である。
ここでのトレーニングはプレッシャーを受けた状態で行われるべきだ。
何故なら体と敵の間にボールを置くことを成長させなければならないからだ。
・加えて敵の位置を見てフリーランニングというアクションは重要です
・誰かと一緒にプレーするということをアクセントに置くと良い
・トレーニングでは止まることなく、どんどん流れるオーガニゼーションを作るべき。
・トレーニングではボールフィーリング、強いパス、ボールトラップする力も合わせて成長させることが大切である。
■トレーニングのアドバイス
・話して、イメージを見せて、プレーさせる
・具体的な例を示し、そしてそれをそのままプレーさせる。
・様々な種類のトレーニングを準備する。
・試合やチーム内での戦いではなく、とにかくプレーすることさせることを意識させる。
・この年代の子供たちにとって分かりやすい言葉を使う。
13歳から15歳において必要なこと。
■この年代の特徴
・彼らは思春期に入り、生意気です。
・他のことに興味がいき、他に趣味をもつようになる。よって指導者は彼らのフットボールに対する評価を再評価させなければならない。
・彼らは権威に対して、反抗、時には対立を誘発しようとするかもしれない。
・自立・自律は少し難しく、自己中心的である。
■肉体
・怪我をしやすい年代である。よってW-upをしっかりしなければならない。また、トレーニングの負荷にも考慮しなければならない。
・この年代の選手が体の過度な成長期であることを認識していなければならない。
■注意すべきことと出発点
・攻撃、守備の目的を明確にしなければならない。
・成長するという意識を保ち続けさせなければならない。
・失点を防ぐためにお互いのポジションに注意を払い、さらにビルドアップ、攻撃し、点を取りにいくことに重点をより置いていかなければならない。
・戦術のトレーニングに時間を割くが、1対1で突破するという視点を持つことを忘れてはいけない。
・トレーニングではより速いテンポでかつ敵のプレッシャーがかかった状態でされなければならない。
■トレーニングでのアドバイス
・テーマを個人的な欠点、問題点にむけるべきである。
・この年代では決してパーフォーマンスが高いということはないということに留意しなければならない
・チームの一員であること、プレーに責任があることを伝えなければならない。
・トレーニングの意味をはっきりしなければトレーニング、試合は上手く行かないことが多いだろう。
・この年代では、自分たちのプレーの問題を自ら解決するように促し、そういったことが起きるような状況を作らなければならないであろう。
15歳から17歳において必要なこと
■この年代の特徴
・思春期の真っただ中にいます。例えば、不合理となり気だるさやイライラをつのらせます。
・すべては自分中心となります。
・彼らは自分自身のプレーに批判的なることができます(自己分析)
・彼らが良いプレーをしたとき、この過程はとても重要な学びの瞬間です。
・筋肉の量が少しずつ増え、筋力トレーニングをすることで少しずつその効果が出始めます。
・誰もチームから孤独感を感じさせないことがコーチとして重要な点となります。
・チームで試合で勝利することが個人の成長することよりも比重が大きくなってきます。
■肉体
・体の成長のピーク期に入ります。⇒筋肉と骨の成長のバランスが取れてきます。
・この観点からW-upをしっかり行い、ケガに対してリスクを負ってはいけません。
■注意すべき点と出発点
・チームの成長を促すこと。そこでは3ラインの関わりあいとそれぞれのポジションでのタスクについて。
・試合の結果においてその選手がどのような影響を及ぼしているかにポイントを置かなければなりません。
・上記のの観点から個人の成長に対してアプローチすることも忘れてはならない。
・チームコンセプトをしっかり設定し、それを実行させる。
・試合に近い状況を作ること(1対2~7対7)そして、そのチームコンセプトを発揮できるようなトレーニングをすること。
■トレーニングでのアドバイス
・W-upをしっかり行うこと。
・トレーニングの前に自分が何かをしたいのかトレーニングしたいのか明確にすること。
・短く単純明快な説明をし、具体例を見せます。
・良くなるまでコーチを与え続ける。(プレーを徹底させる)
・選手たちにトレーニングの設定を手伝わせ、トレーニング後は用具を片づけさせる。
・一貫したアプローチをすることが大切。
各年代の特徴に合わせてトレーニングすることはとても重要です。
これを理解できていなければ適切なトレーニングはできないであろう。
所謂、オーバーコーチングになってしまう。
育成年代の選手は常に成長し、進化する。それを理解しているかしていないか。
これが大きく分けるはずだ。
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お父さんコーチへ 各年代の特徴とトレーニング留意点 7歳から11歳まで
育成において各年代の特徴を把握しておくことは非常に大切だ。
各年代においてその選手たちができることは限られているわけだ。
例えば、7歳の子供に『カウンター!』とコーチングしても効果はもはやないであろう。サッカーのトレーニングでもひらがなを覚えるように順をおっていかなければならない。
各年代の特徴をまとめてみた。
7歳から9あ歳において必要なこと~
■この年代の主な特徴
この年代の子供たちは、動きたいという強い衝動に駆られる。
よってプレーするということ自体がこの年代の目的、ゴールとなる。
動き回って、プレーすることがこの年代の子供たちのためになるのだ。
トレーニング中に彼らは何かを真似する傾向にあり、非常に短い時間で多くのことを学ぶことができます。この世代の時に良い成長を促すためには指導者としてとにかくプレーさせること。これが重要である。
しかし、他の年代と比べて緊張感(集中力)を持続させることは非常に難しい。よって長い時間、1つのトレーニングをさせることは好ましくないので多くのバリエーションを準備しなければならない。ここはコーチの見せ所であろう。さらに彼らは自分自身ばかりに目がいき、他の人と協力するという感覚は持っていない。
■肉体
彼らは他の年代と比べて筋力は少ない。よって、筋力にフォーカスしたトレーニングは行う必要は一切ない。繰り返しになるが、彼らは活発であることを忘れてはならず、指導者として様々なトレーニングを準備しなければならない。そこでは、可能な限り立っているだけという時間を減らすことを意識しなければならない。
■注意すべき点と出発点
彼らにとって最も重要なことはボールへの恐怖心を失くすことである。その中で、いくつかの基本的なルール(ボールをゴールに多く入れたチームが勝ち、攻める方向、相手を蹴ってはいけないということ。)を学ぶこと。これがスタートである。フットボールにおいてはルールが明確であるときにその楽しさも合わせて続いてくる。そして、この年代の指導者は子供たちが出来る限り自分からプレーできるトレーニングを用意しなければならない。
トレーニングでのアクセントは、4vs4のようなの形をメインにしながら基本テクニック、両足を使うということにフォーカスをおくとよいであろう。さらにそこでは様々なボールトラップ(敵がいない状態で)を習得することが好ましい。競技志向(勝利主義)に重きを置くよりもまずサッカー自体を楽しむことが中心に置かれることが大切だ。
■トレーニングのアドバイス
・映像やコーチのデモンストレーションなどのイメージを見せて、プレーさせる
・具体的な例を示し、そしてそれをそのままプレーさせる。
・様々な種類のトレーニングを準備する。
・試合やチーム内での戦いではなく、とにかくプレーすることさせること、楽しむことを意識させる。
・この年代の子供たちにとって分かりやすい言葉を使う。
・分かりやすいルールでトレーニングを行う。
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続いて9歳から11歳において必要なこと
■この年代の主な特徴
この年代の選手たちは7歳から9歳の選手たちに比べて短い時間だが集中力を保つことができるようになる。ただ聞くことと静かにすることは彼らにとって大変な作業である。新しいことに対して興味津々で、この年代において“聞く”ということだけではなく“観る”ということも重要となります。彼らは彼ら自身ができることを見せたがる。また、真似をするとうこともひとつの特徴的な行動である。
ようやくこの頃から、社会性も身につけはじめ、彼らは誰が良い選手なのか悪い選手なのか認識し始めます。
■肉体
・自分の肉体の可能性(何が出来て、何ができないか)を認識し始める。
・コーディネーションは7歳から9歳に比べて断然良くなります。
■注意すべき点と出発点
この年代では、新しい動きを学ぶにあたって最も良い年代である。コーディネーションとテクニックの習得をトレーニングの中心に置くとよい。そこでは試合に近い状況を設定してあげるとなお良い。引き続きルールは明確で簡単でなければなりません。基準やプレーの価値・重要性を認識させ、どんどんトライさせることが大切である。
■トレーニングのアドバイス
・映像やコーチのデモンストレーションなどのイメージを見せて、プレーさせる。
・具体的な例を示し、そしてそれをそのままプレーさせる。
・様々な種類のトレーニングを準備する。
・試合やチーム内での戦いではなく、とにかくプレーすることさせることを意識させる。
・この年代の子供たちにとって分かりやすい言葉を使う。
選手がコーチを理解する前にコーチが選手を理解しなければならない。
これが何よりも大事なこと。
選手たちはサッカーを楽しんでいますか?
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サッカーにおいてビデオ判定は必要か?
最近、話題のビデオ判定、VAR。
VARとはビデオ・アシスタント・レフリーの略である。
「ビデオ判定があればCL優勝できていた」。新技術導入に賛成のヴェンゲル
— フットボールチャンネル⚽️ (@foot_ch) 2017年6月20日
2006年CL決勝バルサ戦、ビデオ判定があればエトーの得点はオフサイドで無効だったと主張https://t.co/XBFBT4pQc0 pic.twitter.com/o5raCIx4ca
そのうち人工知能AIが審判やることになるだろうな。⇒ビデオ判定で2試合連続のゴール取り消し…コンフェデ杯2日目で2得点が幻に https://t.co/Cwk1KYJxLg
— 二宮金太郎 (@golgo13er) 2017年6月18日
(誤審対策としてのビデオ判定導入について)人間の目に限界があるならば、テクノロジー(科学技術)に頼ることも悪くない。どこで使うかという議論を入念にすれば、問題はないはずだ。
— オシム監督の名言集 (@corelab0001_d) 2017年6月28日
意見は様々である。
そして、こんなことも。
【1214 サッカー ビデオ判定で突然のPK 歴史的瞬間 】
そんな中、ベルギーのLeuven大学でこんな研究結果が出た。
サッカーにおいてスローモーション映像を見た審判は、リアルタイム映像を見た審判よりも厳しい罰を下す。
ヨーロッパの審判88人を対象に60の試合のシチュエーションでレッドカードかイエローカードもしくはカードを出さずに反則だけを取るかを調査。
半分のシチュエーションはスローモーション映像が見せられ、残りの半分はリアルタイム映像が見せられた。
一般的にイエローカードが出される状況でスローモーション映像を見た審判の20%はレッドカードを出し、リアルタイム映像を見た審判は10%だけレッドカードを出したのだ。
この違いの説明についてLeuven大学の教授はこう説明している。
スローモーション映像における反則はより重い判定が下されるのは明らかだ。
その意図の認知が リアルタイム映像よりもスローモーション映像の方が大きくなるからである。スローモーションにおいて反則は故意的と捉えられてしまうのである。
簡単に説明するとスローモーション映像ではこの時点で重い反則だということが先入観として働いてしまうということだ。またより深くその映像を見てしまうということだ。
イエローカード?レッドカード?
スローモーション映像は審判講習会等であまり使われていないこともその原因の一つとして考えられる。よってInternational Football Association Board (IFAB、ルールを決定、管理する機関)はスローモーション映像を今後、プログラムに組み込むことを検討している。
またスローモーション映像を反則がゴールエリア内かゴールエリア外か、もしくはタックルが体にいっているか、ボールにいっているかをチェックするのに有効だ。
賛否両論あるがこれからも VAR、ビデオ・アシスタント・レフリーの運用方法から目が離せない。
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個人ピリオダイゼーション ケース:ノルウェー
ある19歳の選手がノルウェーでプレーしていた。
ノルウェーは1月にシーズンがスターし、10月にシーズンが終わる。
ヨーロッパ5大リーグとはシーズンが違う。
プレーシーズンが1月から4月までで、4月から10月までリーグ戦が行われる。
この彼はエリート生としてあるクラブのU15,U16に所属し、週に4回トレーニングして、週末に試合をするといった毎日を送っていた。
しかし、この彼はこの2シーズン定期的な怪我をして、ほとんど試合でプレーすることができなかった。
そして、彼は新しいクラブに移籍し、U19とトップチームのトレーニングに参加していた。彼は、シーズン始めから2月の中旬までU19の監督の要望で月曜から木曜まで週4回トレーニングしていた。前のクラブと変わらない。むしろトップチームのトレーニングに時折、参加していたので前のクラブよりも負荷は高い状態であった。
この期間でこのクラブの監督、コーチは爆発的な選手だと認識していた。
2月の中旬、またしても彼は怪我をしてしまう。
このクラブのメディカルスタッフはこの選手が以前のクラブで何度も何度も怪我をしていることを知る。
選手が怪我をする理由の一つにトレーニングの負荷というものが影響している。
この選手もまさにそうだ。
サッカーの世界では大抵の場合、チーム全員に同じトレーニングが行われる。
このアプローチの方法ではいつ、怪我が起きてもしょうがないのである。
本来、怪我人へのアプローチは個々で行わなければならない。
選手によってはトレーニングの負荷をコントロールしなければならない。
当然、負荷を落とさなければならない選手がいるわけだ。一時的にそれが必要な場合もある。
この選手のケースでいけば、トレーニングの負荷を落とさなければいけないであろう。
理由は2つ。
- 爆発的な選手であること。(シュートが強い、足が速い、フィジカルが強い等)
- その選手の怪我の歴史(筋肉系の怪我、膝の怪我、同じ箇所の怪我等)
そして、この選手はコーチングスタッフの相談によってU19チームのみのトレーニング参加となった。
チームというのはあるリファレンスをもとに構造的なプランを立てなければならないでろう。構造的なプランがあることで個々のアプローチもより簡単になるであろう。
チームには必ず突発的な何かが起きる。例えば、主力選手の怪我がそれに当たるだろう。しかし、構造的なプランさえあればチームが慌てて混乱に落ちることはそうないであろう。構造的なプランを持っていますか?
逆を言えば構造的なプランがあれば個々のピリオダイゼーションが可能なわけだ。
■試合後、少なくとも48時間はリカバリーの時間として必要
■次の試合までに強度を落とさずにトレーニングの量を落とさなければならない
怪我のからの復帰のチームでのトレーニングはより体に負担をかけることになる。
怪我から復帰したこの選手はより負荷が溜まっている状態に陥っているわけだ。
つまり、この選手は他のフィットした選手と比べて多くのリカバリーの時間が必要なわけだ。これは考えたことはありますか?
すなわり個々のピリオダイゼーションはコーチ、監督によって理解されていなければならないし、コントロールされなければならないということになる。
それが結果的に選手をフィールドに立たせ続けることを可能とし、チームを強く保ち続けることを可能とするからである。
今回のケースの選手情報
- 以前のクラブで過去2年間怪我を繰り返していた
- 爆発的な選手である
- U16からエリートとして認められている
- 以前のクラブで週4回のトレーニング+試合
そして、メディカルスタッフ、コーチングスタッフとの話し合い後
- 理学療法士とのリハビリトレーニングの実施
- 週4回のチームトレーニングから週2回へ
- 試合前のトレーニングは彼のみ早めに切り上げる
- リハビリプランとしてパス&トラップ、ポゼッショントレーニング、ゲーム形式のトレーニングと段階を経て、行う
- 試合のプレー時間を段階的に増やす。45分⇨70分⇨90分
実際のところ、難しいところではあるところだが、全ての選手がそれぞれにあったプランでトレーニングされるべきである。
受傷歴、選手のタイプ、以前のクラブの方法を考慮してトレーニングの負荷を落とすのだ。
トレーニングの負荷を調整することで選手間で不満が起きるかもしれないが、その選手が点を取ったりと、チームに貢献することができればそれほど大きな問題にはならないであろう。
全ての怪我を防ぐことはほぼ不可能に近い。
しかし、正しい方法によってチームが導かれることによって勝利がより近づき、物事がうまくいくはずであろう。
ちなみにこの選手は、復帰後、毎試合に出場し、毎試合90分プレーできているようだ。
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ビジュアル化〜新たなるサッカーデータ活用法〜
“We collect most of our data ourselves. Data by Opta and others not really useful for our kind of work.” —Michael Niemeyer, FC Bayern
データとは非常に面白い。昨今のサッカー界はデータ革命が進んでいる。
だが実際にどのデータを使うべきなのか議論がされ続け、クラブや国によって大きく異なっている。
これからデータはどうなっていくのだろうか。
FacebookやTwitter等のSNSで発信されるデータには以下のようなものが多い。
VIDEO: We made the slowest XI and fastest XI on FIFA and put them against each other - https://t.co/HbW0VX24XC
— Squawka Football (@Squawka) 2017年6月24日
Only gold cards allowed. ✅ pic.twitter.com/dsSMf7PTjf
From analysis, to game model, to training exercises@JudahDavies details his preparations for 5 a side tournamentshttps://t.co/7ZoEnV9MAN pic.twitter.com/wtssVI2Mz9
— Spielverlagerung.com (@spielvercom) 2017年6月22日
でもコーチとして実際にこれらをどう活用して良いかも不透明であまり意味がないのかもしれない。
フィールドにはこういったデータよりも大切なことがあるはずだからだ。
例えば、誰がメッシがゴールする前にスペースを作ったのか、セルヒオ・ラモスがあのポジションにカバーに入っているからネイマールはドリブルを選択しなかったといったことだ。
ではこれはどうであろうか?
こういったビジュアルビデオを見ることでフィールドで起きていることが全てわかる。
おそらく退屈なデータが並んだ画像よりもこのビデオ見たいはずだ。
ゴールシーンにおけるテキスト速報よりもハイライトビデオを見たいのと同じ感覚だ。
ではこういったビジュアル化されたものをどう活用するのか、どのような視点を持つべきなのかということだ。
4つの視点を見てみたい。
1、数的優位
簡単にこの映像について説明すると、ボールを持った選手が立つラインとゴールラインで作られたスペースの中に何人の数的優位が作られているかを表している。
上の数字がその数を表しているわけだ。
2、マーク
‘If I have to make a tackle then I have already made a mistake’ — Paolo Maldini
それぞれのDFから最も近い相手選手を結んだもの。もしくは各選手(守備側)の対処できるスペース。そのスペースに攻撃側の選手が入った瞬間、マークしていることになる。
3、フリーランニングとパスの選択肢
ここではマークされていない選手、フリーランニングが上手くいきボールを受けることができる選手がパスの選択肢となる。
4、パスの質
赤色が実際のパスで、黒色がパスの選択肢。
今回は4つの視点が紹介されているがこのデータ分析方法(ビジュアル分析)はますます取り入れられはずだ。ヨーロッパのビッククラブではすでに取り入れられているとか。
サッカーを良くするためにできることをする。ヨーロッパを始め、世界はどんどん進化しているようだ。
引用