サッカーは監督だ

トップの監督になるために必要な情報を集めたプラットホーム。日本のサッカーが発展することを願って。

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ドイツ革命の続き ナーゲルスマンがもたらしたもの

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ドイツの若い監督たちは今までの監督たちとは少し勝手が違う。

その台頭はユリアン・ナーゲルスマンであることは言うまでもない。

 

ナーゲルスマンが監督に任命されたこと対して、メディアの多くが経験がない監督をなぜ抜擢?リスクが高すぎるといって批判をしていた。

 

しかし、実際は違ったのだ。

ナーゲルスマンは見事にサッカーの監督という職業に年齢や経験は関係ないと証明したのだ。ドイツに新しいロールモデルを作り出したのだ。

 

まさにベービーモウリーニョである。(もはやこれは失礼かもしれない。)

 

ブンデスリーガでプレーしたことは一度もない。

どこの国でも年齢、経験の問題はあるであろう。ナーゲルスマンの監督任命と活躍にも関わらずこの問題から目を背けている国やサッカー協会は多く、この事例を疑った目で見ているのであろう。しかし、ドイツはいち早くこの問題に目をつけたのだ。

 

ヨルゲン・クロップを見て欲しい。彼は平凡なDFでブンデスリーガでプレーしたことはない。しかし、ドルトムントと共に、彼は大きく成功を収めたのだ。そして、その後ドルトムントで指揮をとったトゥヘルムも同じケースだ。彼もブンデスリーガでプレーしたことはない。

 

ドイツ人ではないがバイエルンの監督、カルロス・アンチェロッティ(イタリア人)も高いレベルでプレーしたことはないのだ。

 

こうやって見ると監督をするにあたって選手として高いレベルでプレーしていることは必ずしも必要ではないと言えるであろう。この4人の監督がこれを証明してくれているわけだ。

3年から4年前までは育成のトップコーチがトップチームの監督をするというケースは本当に稀なケースであった。これは多くのクラブでは素晴らしい組織の元、育成チームも含めてほぼ同じ、プレーモデルで選手たちにプレーさせていることもこのパターンが成功した理由とも言える。

 

さらに今の監督で結果が出なくなれば、また育成チームから監督を昇格させることができる。それによってその監督も選手もスムーズにチームに溶け込むことができる。

予算と時間がかからないことも大きなメリットなわけだ。

 

指導者育成プログラム

ナーゲルスマンのような監督の出現は決して偶然ではない。これにはドイツサッカー協会が大きく関わっている。

 

多くの国ではプロの選手経験者が指導者ライセンスの順番待ちをしているのが現状だ。さらにこのライセンスコースを受講するにはかなりの費用が必要である。しかし、ドイツでは全ての指導者にチャンスがあり、費用も約9000€で他の国と比べるとこれは高くないことがわかる。ライセンスを受ける前に3日間に渡ってインテリジェンスと指導レベルのチェックのテストが行われ、成績優秀者のみが残り、ライセンスコースを受講できるような仕組みになっているのだ。

 

ただでさえ強いドイツがさらなる高みを目指し、改革を進めている。

果たして日本は?

 

世界は凄いスピードで進んでいる。

 

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ユルゲン・クロップ 選手、クラブ、サポーターすべてに愛される名将の哲学

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アンチェロッティの完全戦術論

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ユリアン・ナーゲルスマンのイノベーション

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開幕間近のブンデスリーガ。その中で、最も注目されていると言っても過言ではないホッフェンハイム。その監督は、ユリアン・ナーゲルスマン。最近、30歳になったばかりである。

 

そのユリアン・ナーゲルスマンについて改めて掘り下げたい。

 

イノベーション

ナーゲルスマンは選手が良くなる方法を常に模索している。

現在、ホッフェンハイムのトレーニング場には、18平方メートルの電子パネルモニターが設置されている。これに関して、ナーゲルスマンはこう述べている。

 

トレーニング中に起こった問題をそこですぐに解決することができる。Ipadを手に持ち、そのIpadと電子パネルモニターは繋がっており、すぐに映像を見せることができる。

 

さらにナーゲルスマンはトレーニング中にドローンを使ってビデオ分析をするというテストも行っている。

Hoffenheim scrap 'distracting' training drone plan - chief executive Gorlich - ESPN FC

実際のところ、選手たちの気が散るということで早々にこの実験を中止している。

さらに香川真司が所属するドルトムントも使用しているFootbonautもトレーニングの中に取り入れている。


Footbonaut - High-Tech Training bei der TSG Hoffenheim

さらにこれもトレーニングの中に取り入れている。その名もHelix。


Bundesliga Women Enter the Helix

ここで、認知の力を養うことができるのだ。

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トレーニング哲学

サッカーのトレーニングにおいても他のコーチ、監督とは考え方が違うようだ。

その方法論はトレーニング時に多くのバリエーションを提供するというものだ。

決まったパターンはなく、常に新しい優遇措置、ルール、負荷がかかるのだ。

 

退屈さからは学ベることはなく、もしトレーニングがルーティーン化してしまったら学べることは少なくなってしまうと考えているのである。 

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 アシスタントコーチのAlfred Schreudeはあるインタビューでこう述べている。

 

選手たちがトレーニングを理解した時には、すでに私たちは次のトレーニングを提供している。トレーニングではストレスがかかるような状況を与えている。例えば、ポゼッショントレーニング。フィールドの各辺にミニゴールを起き、そのゴールを色分けしてセッティングしておく。守備側の選手がボールを奪ったら、コーチがある色を叫び、守備側の選手たちはその色のゴールにシュートをするというものである。

 

ドイツサッカーを観に行こう!  ブンデスリーガ×ドイツ語

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ブンデスリーガ―ドイツサッカーの軌跡

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アレックス・ファーガソンのレッスン

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伝説の監督、前マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン。

そこでアシスタントコーチとして6年間働いていたRene Meulensteenを知っているか?

 

この間、プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、クラブワールドカップのタイトルを獲得している。

 

そんなRene Meulensteenから見たアレックス・ファーガソンの話。

 

ヴィジョン

目的は勝つこと。しかし、それもあるスタイルで勝つことである。ファーガソンが彼をトップアシスタントに任命した時の話である。

「私はあなたにあなたのセッションについて話す必要はない、あなたは全て知っている。しかし、私は私が見たいものについては改めて話したい。ポゼッションは重要だが、これは常に目的がついてなければならない。私たちが攻撃する時、私はテンポ、パワー、前に進入、予測不可能なサッカーが見たい。この4つのことをあなたはトレーニングのセッションに注ぎ込まなければならない。」

 

さらにファーガソンは育成することを提唱していた。これは育成年代の施設と政策へ投資をして、さらに彼らにチャンスを与えることを意味していた。そして、自前の選手がトップチームの上がれる可能性があれば、すぐにファーガソンはチャンスを与えたのである。

 

委任

ファーガソン体制においては様々なエキスパートが存在した。テクニカル、ストレングス、コンディション、メディカル、分析とに分けていたのである。

 

ファーガソンはハイレベルでこのマネージメントを成し遂げた。彼は様々な仕事を委任して、それを監督したのである。彼は常にチームをコントロールしていたが、スタッフに対してはできる限りの自由が与えられた。スタッフを信頼していたことになる。

 

正しい環境をクリエイトする

Rene Meulensteenは6年間を改めて振り返った時に、ファーガソンと働いてほとんどプレッシャーというものを感じなかったようだ。常に心地が良い状態で仕事ができたのだ。難しい状況はあったものの、すぐにその状況を把握し、問題が解決できるようにすぐに実行したのである。

 

受け入れる力

ファーガソンは常に受け入れる耳を持っていた。テクノロジー分野が参入してきたり、ビデオ分析の分野が参入してきても常に受け入れ、そのスタッフが試すことを承諾した。これは非常に特別なことで、マンチェスター・ユナイテッドでこれを行うことは非常に困難であったに違いない。しかし、この力があったからこそあんなにもファーガソン政権は続いたのかもしれないと言える。

 

ファーガソンの役割はチームを進化させ、そのチームに流れる時間を変化させることだったのである。

 

決定できる

重要なことを決定しなければならない時、彼は常に決定してきた。

そこでファーガソンは素早くかつ迅速に決定を下せる人間だったのだ。どんな状況が来たとしても恐れることななかったのだ。

 

信念 75%と25%

ファーガソンは常に言っていた。

我々のアプローチは75%と25%。75%は自分たちに関してのこと、そして25%は相手チームに関してのこと。なぜなら、私たちはマンチェスター・ユナイテッドだから。

 

常にユナイテッドがどのように良くなり、強くなるのかを考え続けてきたのだ。

 

 ユーモア

働くにおいてはファーガソンは恐ろしい男だとよく言われる。しかし、これは真実ではない。彼は毎日、働くことを楽しませてくれていたのだ。

 

 

マンチェスター・ユナイテッドに来るような選手は偉大で能力が高く、自分で何かができてしまう。そんな選手と仕事をすることはそんなに容易なことではない。

 

そんな中、彼は知らせること助けることをしていたのだ。決して教えるというスタンスではなかったのだ。

トレーニングにおいて全てのステップを教えるのではなく、オプションを選ばせていたのだ。そうすることで彼らは進化していくと考えていたのだ。

 

ファーガソンの周りでは常に笑いが絶えず、毎日笑いながら仕事をしていたのだ。

 

引用

trainingground.guru

 

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アレックス・ファーガソン 人を動かす

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アレックス・ファーガソン

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ファーガソンの薫陶 勝利をもぎ取るための名将の心がまえ

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移籍の意味

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この時期になるとヨーロッパでは、移籍市場が慌ただしくなる。選手、クラブ共に落ち着かないであろう。

 そこにはネイマールのようなとてつもない移籍金が発生し、移籍することがあるかもしれない。

 ただ忘れてはならないのは、若い選手がステップアップのために移籍、もしくは契約が更新されずに移籍するケースもあるということだ。実際にこの移籍は選手のキャリアにどう影響するのであろうか。

移籍市場

世界的にみて多くの移籍はフリーで、大きなお金が動くことはそうない。約75パーセントの移籍が契約満了か解雇である。残りのケースがネイマールのような移籍や若い選手がステップアップによって生まれる移籍であり、そこにはクラブに利益が生まれる。基本的には外国に渡ることが多い。

 

オランダ事情

少し勢いが落ちているオランダ。かつての育成大国の現状はいかなるものか。

 

5年間でどれだけの選手が外国に渡ったかという調査がある。

この調査によると約5%が19歳以下の選手で、21歳から23歳の選手が主に海外に活躍を求め海を渡っている。26歳、27歳の選手は国に残り、オランダリーグでトップ選手として活躍している。21歳から23歳の選手たちの移籍先は在籍していたクラブよりもレベルが落ちるクラブに移籍することが多いという事実があった。

在籍クラブよりも良いクラブにいくのは、19歳以下のトップの選手だけであったのだ。

プレー時間の減少

試合のプレー時間は選手の成長に欠かせない要素である。

Ford, P.R., Ward, P., Hodges, N.J., & Williams, A.M. (2009). The role of deliberate practice and play in career progression in sport: The early engagement hypothesis. High Ability Studies, 20, 65 75.

 

 

移籍後、この選手たちに何が起こっているのであろう。

実は多くの選手のプレー時間が移籍する前に在籍していたクラブでのプレー時間よりも少なくなってしまったという事実があったのだ。

 

チャンピオンズリーグへの道?

オランダでは半分の選手が一日だけでもチャンピオンズリーグに立てている。

このデータは移籍によってチャンピオンズリーグに到達した選手だけではなく、そのクラブに在籍続けたことでそのチャンスが巡ってきた選手の数も含まれている。

 ただ、オランダにおける移籍事情を見てみると良いクラブ(ECI数値の高いクラブ)への移籍はあまり多くなく、仮に移籍した場合においてもプレー時間が短くなってしまっている現状がある。

 移籍するということは夢があり、成長できる可能性を秘めているが、そこには多くのリスクがあることも忘れてはならない。

 

そうなると移籍先を選ぶことは本当に慎重にならなければならず、お金だけを見ていたらその後のサッカーキャリアに大きくマイナスになってしまうであろう。

サッカー代理人 ジョルジュ・メンデス

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サッカーの監督がクビになると何が起きる?

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サッカー界においては結果が全てで、結果が出なければクビになるのが当たり前だ。

なんとも厳しい世界である。

 

では実際に監督がクビになり、新しい監督がやってきた後、何が起きるのであろうか。

このテーマに関してある調査結果がある。

 

監督解任後、何が起きる?

 

引用:Hope, C. (2002). When should you sack the manager? Results from a simple model applied to the English Premietship.

縦軸→新しい監督が獲得した平均勝ち点

横軸→新しい監督が指揮を取った試合数

短い縦線→その新しい監督がまた解任された瞬間

 

プロセス

新監督が就任して2〜5試合においては平均獲得勝ち点が高い数値を示してしる。これは監督解任によって生まれた驚きとフレッシュな風がチームに入ったことが原因と考えられる。その後、下降しそのまま横ばいとなる。これは30試合〜40試合まで続く。ここでは新監督の戦略、戦術の浸透させ、監督、コーチ、選手ともにお互いを知る、理解する時期となり、それによって勝ち点が思うように拾えないことが考えられる。

時間と共に、監督解任における効果、チーム、選手の気持ちに落ち着きが見られるようになる。

 

この座標からは見えないこと

この座標から見えないことは、新監督と解任された監督との比較である。新監督と旧監督とでは30〜40試合における結果にどのような違いがあるであろうか。この比較は大変重要なポイントである。その比較結果によっては新しい監督を探さなければならないかもしれない。こういった比較をしているクラブ、チームはあるのであろうか。

Euro Club Index

Euro Club Index – The Ultimate Club Football Ranking

Hypercube Business Innovationという会社があるデータを作成した。

(オランダ語のようで実際よくわからない。)

このECI(Euro Index club)はチームの強さを数値化したもので、UEFAランキング(昨シーズンと今シーズンの勝ち・負けの数によって算出)とも比較される。また、ECIではホーム、アウェー、敵チームの強さも考慮される。

 

チームが強ければECIの数値は高く、弱ければ低くなるのである。これによって新監督と旧監督とのチームを比較できるのではないかという話である。

 

そこで調査チームはこの数値を失ったかどうかで監督を解任するかどうかを考えることが良いのではないかと提案してる。

 

200ECI

上の図を見て欲しい。横線はECIの点数獲得の数値となりる。ここでは詳しい内容は不明だが、この研究チームによるとECIの数値がー200となれば監督解任を考えるべきだと述べている。

 

つまり、単純に監督解任を考えるのではなく、こういったデータの比較によって監督を続投させるのか解任するのかを判断することの方が、世界で戦う場合良いのではないかという提案である。

 

 

アレックス・ファーガソン自伝

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サッカービルドアップ動画 オススメ 3選

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オランダではフォーメーションをGKを含めて数えるらしい。

1−4ー3−3のように。

 

それはなぜか?オランダではGKは攻撃の出発点という考えがあるからだ。

サッカーの戦略には2種類あり、ゲームメイクとカウンターである。このゲームメイクの中に、ポジショナルプレーとダイレクトプレー(ゴールに一番速く到達するプレー)である。

 

バルセロナ、スペイン代表の台頭によりゲームメイク戦略のポジショナルプレーが多くのチームで好まれプレーしている。これらのチームの出発点でGKである。つまり、GK、DFからのビルドアップの成功が勝利の鍵となるわけだ。

 

今回はいくつかのチームのビルドアップ動画を紹介したい。

永遠とビルドアップ動画が流れている。

 

イタリアのバルセロナ、ナポリ


2017/8/1 Napoli build up vs Atletico

2016-2017 Napoli Training Jersey (Black)

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2016-2017 Napoli Kappa Authentic Home Shirt

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2016-2017 Napoli Kappa Authentic Away Shirt

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2016-2017 Napoli Poly Microfibre Tracksuit (Sky Blue)

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チェルシー


2017/7/27 Chelsea Build up vs Inter Milano

 

2017-2018 Chelsea Away Nike Ladies Shirt

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  • 出版社/メーカー: Nike

topcoach.hateblo.jp

 

マンチェスターシティ 


2017/7/20 MANCHESTER CITY Bulid up vs MANCHESTER UNITED

 

 こちらも合わせてどうぞ。

 

topcoach.hateblo.jp

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なぜ全ての人がサッカーのコーチになれる?

主にアマチュアクラブで見れれる傾向だが、基本的に全ての人がサッカーのコーチになることができる。なぜ?資格は?

 

昔プレーしていたから問題ない?ポジティブコーチングだから良い?

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 でも実際にこれで良いのであろうか。

時間とやる気さえあればすぐにコーチ、監督になることができてしまって良いのであろか。多くのクラブや保護者たちは甘くないであろうか。これを見過ごしてもよいのであろうか。

 

子供たちは初めてのトレーニングに新しいシューズ、ユニフォームで胸を躍らせながらフィールドにやってくるはずだ。そんな中、ウォーミングアップが20分もあり、中々順番が回ってこなかったり、プレーが上手くいかず怒られてばかりいたりしたら、この子供たちはシーズンを通して何を学ぶことができるであろうか。

サッカーを始める子供たちにとってあなたのクラブはファーストコンタクトの場所である。

 

サッカーを初めてプレーする子供たちにとってそれは大切な瞬間である。それが資格のない感覚で指導するコーチで良いのであろうか。

コーチ、監督はこの年代の子供たちがどんな子供たちなのか、この年代に適したトレーニングは何なのかを知っていなければならない。そして、トレーニングで子供たちを夢中にさせることができるのか、楽しませることができるのか、成長させることができるのかが重要となる。

 

 

少し自分のクラブを覗いて欲しい。トレーニングは上手くいっているのか。

 

①子供たちを夢中にトレーニングしているか。

②楽しんでいるか。

③成長しているか。(出来ることが増えているか)

 

もしトレーニングを見に行くことが難しければ、試合を見に行って確認して欲しい。

もしかしたら、コーチ、監督は上手くいかない子供たちを見てストレスで怒鳴って怒っているかもしれない。

 

こういったことが本当に起こっていれば非常に残念なことである。

隣のチームや敵チームは資格を持ったコーチが指導にあたり楽しそうにプレーしているかもしれないからだ。そして、自分のチームはこういったチームと対戦しなければならないからである。

 

サッカー協会も見て見ぬ振り。

もうひとつの問題はサッカー協会にもある。端的に言えばこういった状況を認めてしまっているからだ。何度もいうが初めてサッカーをプレーする子供たちにとってはそのクラブがファーストコンタクトである。

 

そんな大切な瞬間に、指導者として経験の浅い、もしくは資格、経験がない指導者が関わって良いのであろうか。

 

サッカーは世界的なスポーツで、厳しい世界である。そんなスポーツのワールドカップで優勝を唄ってはいるがそれは本当に可能であろうか。

 

アイスランドは全てのコーチに資格取得を義務付け、指導者に指導させている。

 

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このままで本当に良いのであろうか。世界ランキングでは中々上昇しない。

さらなら改革が必要なのではないかと思う。

 

よく考えて欲しい。もし日本のクラブチームの指導者が全員、資格を持った指導者が指導にあたったら?

 

革命は起きるはずだ。

 

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ソーシャルメディアをどう利用するか?

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現在、戦術やトレーニングについてFace bookやTwitterといったソーシャルメディアによって様々な情報が拡散されている。しかし、我々はこれをどのように利用すれば良いのであろうか。

 

ビデオから多くのインスピレーションを受けることは間違いない。しかし、そのままコピーするだけで意味があるであろうか。

 

なぜなら、選手の年齢、レベル、プレーモデル、使える備品がチームによって違うからである。

それぞれ考えて行きたい。

 

プレーモデルとの一致

例えば、チームのプレーモデルとしてサイドの選手を置かずに攻撃する場合、サイドからのトレーニングしてもあまり、効果は出ない。そもそも試合中にサイドからの攻撃が少ないからである。

 

もし、チームが守備においてマンマークの戦術を使うようであればこのようなアトレティコのトレーニングは理想的ではないであろう。

 つまり、チームのプレーモデルに合わせてトレーニングを選択しなければならないということである。

 

選手たちの年齢

自分がトレーニングする選手たちの年齢は何歳ですか?

 

トレーニングによっては全てのカテゴリーで使うことができるかもしれない。しかし、多くは年齢によって適切ではないものがある。例えば、敵がいない状態でのトレーニングは年齢の低い選手たちに有効である。

年齢が高ければ高いほど、プレーの実行だけでなく、認知→プレーの選択の過程が大切になってくる。よってこの年代においては敵がいる状態でのトレーニングが望ましいであろう。 

 

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どのくらいの時間その形式でトレーニングしますか?休憩時間は?

 この情報は拡散されたビデオだけを見てもわからないであろう。主にビデオではトレーニングのオーガニゼーションしかわからない。しかし、このポイントはチームにとって重要であろう。シーズンの時期や試合の後、選手の疲れ具合によってもこの時間は異なってくるはずであるからだ。このピリオダイゼーションによってコンディションは上昇し、障害予防にも繋がるのである。

 

 コーチングアクセントはどこ?

トレーニングとはそもそも目的達成のために行うものである。

例えばポゼッショントレーニング。このトレーニングは攻撃、守備、攻守の切り替えの向上を目的にトレーニングできるはずである。しかし、コーチ、監督はどのポイントの絞ってコーチングするのかということが重要になってくるであろう。

アクセントをどこに置くのかということである。

 

このトレーニング中、攻撃、守備、切り替えのプレーごとにコーチンングするのか?果たしてそれは効果的なのであろうか。選手たちは混乱しないであろうか。

こういったこともビデオからではわかりにくいのが現状である。

 

どのように試合に繋げる?

先ほども述べたようにトレーニングは目的達成のためにある。ではビデオで見たようなトレーニングは試合にどのように繋がっていくのであろうか。これを考えることが一番重要かもしれない。

 

ビデオからインスピレーションを受け、そのビデオから試合でどのように繋がっていくかを考える過程で自分のチームにアジャストすることができるかもしれないからだ。

もし、わからなければそのトレーニングを行っているチームの試合を見ると良いかもしれない。

 

以上がFace bookやTwitterといったソーシャルメディアによって拡散されている様々な情報を利用するにあたってのポイントかもしれない。

シェアやいいねの数に惑わされず、トレーニングは目的達成の手段であって、目的ではないことをここで強く伝えたい。

 

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ユーロ2017で躍進を続けるオランダ女子代表

昨日のスウェーデン戦に2−0で勝利したオランダ代表女子。躍進の秘密は一体何なのであろうか。その秘密を探りたい。

ビデオ分析 

オランダ女子監督Sarina Wiegmanのインタビューによると試合後には必ずビデオ映像を見せており、その後、選手たちとディスカッションをしているそうだ。このディスカッションをするグループは様々な形で行われている。そこには大きなラインがあり、右サイドの選手のみのグループ、キャンプテンと副キャプテンのグループ、センターラインのグループなどがある。

 

このビデオ分析の内容を選手たちにはポジティブな部分とネガティヴな部分の両方を時系列で見せている。つまり、選手たちには攻撃の部分だけ、守備の部分だけという形で見せていないということだ。

 

さらにビデオを使いながら試合の状況、順位によってどんな戦略、戦術を使うかをを選手全員とのミーティングで決めている。

 

また、ユーロ2017の大会準備期間中にスカイプを使い、選手それぞれに試合の映像や情報を共有していた。そうすることで選手たちは次の代表チームでの活動の前にすぐに情報を得られていたのである。

 

そこでは主にチームの、戦略や戦術に関してではなく選手それぞれのアクションについてのアドバイスが送られていた。なぜなら選手たちはすぐに自分のクラブでの活動があり、それぞれのクラブでの戦略、戦術について調整し、考えなければならないからだ。

 

アクション(認知→選択→実行)についてアドバイスを送ることは、戦略、戦術が違っていたとしてもその選手には有益であることは間違いないからだ。

 

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シナリオトレーニング

プレッシャーがある状況で良いプレーをするためには、選手それぞれが自分の役割を理解していなければならない。その役割は1ー0で勝っている時、負けている時で異なっているのが普通である。

試合中においては、チームスタッフと選手たちで常にコミューニケーションを取りながらゲーム展開を読み、ゲームの進め方を変えていくのだ。

 

今回のユーロでは例えば守備をする位置を変えながら戦っている。高い位置からボールを奪いにいく場合は、DFラインを高くし、全体をコンパクトに保ちながら戦う。DFラインを高く置くことでGKは最後のDFのようにプレーしなければならない。

 

また、低い位置からボールを奪いにいく場合は、高い位置から奪いにいく場合と同様に全体をコンパクトに保つ。DFラインとGKの間のスペースは小さく、ロングボールがここに飛んで来る場合が増えるのでその対応をしなければならない。

 

それぞれによって与えられる、必要とされる役割が変わってくる。

 

つまり、多くのシナリオを作りだし、そのシナリオを実行するためのトレーニングを大会までの準備期間中に行ってきたのだ。

 

テクニカルな守備

今年に入り、オランダ代表は爆発的な守備に関してトレーニングを積んできた。正しいタイミングでボールをチーム全体で奪いにいくのだ。そこで重要なことは無駄なファールをして、相手にフリーキックを与えないことである。

さらに試合中に相手に抜かれてしまうことが多かったという理由から1vs1のトレーニングに時間をさいたのである。

トレーニング

 

図のような形でこのトレーニングはウォーミングアップ後に度々行われた。

 

これは11vs11を出発点として考えられた形である。

最初のゾーンで2v1を行い、それを突破した場合、3vs2が行われ、最後のゾーンで2vs1が行われるというものだ。守備側はボールを奪ったら各ゾーンのミニゴールにシュートすることが許される。つまり、数的有利を作り、それ利用しながらボールを運び、ゴールまで行くという意図のあるトレーニングだ。

 

さて、オランダはどこまで進めるのであろうか。

オランダ女子サッカーは凄いスピードで発展していることは間違いない。

 

プレーテンポが男子に比べて、ゆっくりなのでゲーム分析においてもオススメである。

 

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  • 発売日: 2014/10/23
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ユーロ2016 アイスランド成功の秘密

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Iceland performs ultimate 'Viking war chant', throws epic homecoming party for Euro 2016 team

記憶に新しいユーロ2016のアイスランドの成功。果たして彼らはどのように成功を収めたのであろうか。その成功の秘密を探りたい。

サッカー選手15000人の国

アイスランドという国には約15000人しか男性サッカー選手はいない。もちろんこれはプロ、アマ含めての数だ。これは多いのか、少ないのか。

 

このアイランドの成功は偶然なのであろうか。

 

アイスランドは非常に寒い国であることは周知の事実であろう。外でサッカーができるのは1年の内、たった5ヶ月だ(5月から9月)。

とはいうもののサッカーホールというものがあり、そこでサッカーはプレーできるのだ。

voetbalhal

これは約15年前に変化したことの一つである。

15年前まで、サッカープレイヤーたちは週1回のトレーニングを約半年間して、残りの半年は室内でハンドボール、バレーボールをしていたのだ。しかし、今では年間通してアマチュアクラブでは週2回、プロクラブでは週4回、サッカーのトレーニングがされている。

面白いことにアイスランドではグランドのコンディションの違い(天然芝、人工芝、土、インドア、)をポジティブに考えているのだ。なぜなら、選手たちはこのグランドコンディションによってサッカーを変化させなければならず、それが選手の成長に繋がると考えているからだ。

コーチである父親は楽しさと質を殺す

アイスランドの大きな進歩の理由の一つに5、6歳の選手に対してもラインセンスをもたコーチが指導にあたるというものがあげられる。多くの国では自分のお父さんがそのチームのコーチ、監督であることが多い。しかし、残念ながらお父さんコーチによる指導とライセンスを所持したコーチ(勉強しているコーチ)とを比べた場合、大きな違いがあるのは当然だ。トレーニングの質、コーチングの質、分析の質など。さらにそこでは楽しさというものも失われている場合が多い。最終的に選手たとは嫌になり、サッカーをストップさせてしまうのだ。

 

これではただでさえ競技人口が少ないアイスランドではサッカーの死を意味しているのだ。

 

子供たちや選手たちが楽しいと感じれば、すぐさま外にサッカーを始め、もっと上手くなろうとするはずだ。そして、より長くサッカーに携わりたいと思うはずだ。そして、アイスランドにとっては選手たちにサッカーを長く続けてもらいたい理由がある。

 

アイスランドでは14歳の選手からスカウト活動が始まるからである。

スカウト関連の研究によると12、13歳以下の選手のためのスカウト活動はほぼ宝くじのようなもので意味がないとされているからだ。つまり、時間とお金の無駄ということだ。(早熟な選手、環境等によって急に成長する選手がいるため)

こういった取り組みによってアイスランドではサッカーを辞める理由にコーチが原因ということが全体も20%よりも少なくなっている。

 

勝ちたい、勝ちたい、勝ちたい。

最後のキーは勝ちたいと思わせることである。そして、勝つための方法はハードワークをして、常にベストを尽くすしかないと伝えてきたことだ。

ウイナーズメンタリティの育成である。

 

これらのアプローチは2003年から始まった。

2016年ユーロでプレーした選手の年齢を見ると、ちょうどこのアプローチによって育った選手たちばかりである。強いて言えばこのアプローチで育ったファーストグループである。

 

この観点からいけばアイスランドの強さは今後も続くと考えられる。

 

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元チェルシーのランパードは10秒間に何回、周りを見た?

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選手たちはよくボールを持った時ののアクションについて評価される。例えば、ドリブル、パス、シュートなどである。また、タックルもその一つだ。

 

これはトレーニング時におけるコーチ、監督により伝統的なアプローチの一つである。

しかし、選手たちはこのアクションを上手く実行するために全ての条件を作り、手に入れてからそれを実行するはずである。

 

このアクションを実行するために必要不可欠な条件とは観る動作である。

これはフィールドで起こっている何かを観るということである。

 

選手は周りをスキャニングし、敵がどこにいるか、フィールドのどこにスペースがあるか、どの味方がフリーであるか、相手GKはどのポジションに立っているかなどを見つけようとしているはずである。

 

その選手が自分の周りで何が起きているかを知っていたら、より簡単により良いプレーの選択ができるはずである。また事前に状況がどのように進むかを知っていれば同様により簡単により良いプレーの選択ができるはずである。

 

つまり、観る動作がしっかりしていれば、ボールを持った時に基本的なアクションはできるということである。

 

フランク・ランパード

フランク・ランパードの動画をまず見て欲しい。

これこそ観る動作に関しての良い動画である。何回彼は観る動作をしたのかお分かりになってであろうか。

 

彼はボールを受ける前の10秒間に12回も観る動作を実行したのである。

ランパードはあるインタビューの中で、自分の周りで何が起きているのかということを常にトレーニングしていたと述べている。

 

トレーニング

テクノロジー

ではどうやってこの観る動作に関して選手たちをトレーニングで向上させるかということを考えたい。オランダやドイツのクラブではハイテクなメガネをトレーニング中に選手に装着させて、これを向上させようとしている。そこまでコストが高くないことから大きな成果が出るのではと期待されている。

 

ホッフェンハイム、スイス代表が使用するハイテクメガネ。

これをクリック↓

 ステップ1

そして、簡単な方法としてはドリブルトレーニングをしながら周りを見させるということだ。ウォーミングアップ等で取り入れるのが良いかもしれない。

  

ステップ2 

さらにパリ・サンジェルマンではこんなトレーニングがされているようだ。

 

 コーチが2色の色を叫び、選手は最初に叫ばれた色の人間型のポールを触り、ボールを受け、後に叫ばれた色のビブスがかかったゴールにシュートをするといった内容だ。

 

周りをスキャンするという能(観て、集めて、実行する)力はこういったトレーニングによって向上される。

ただパスとトラップの形式のトレーニングを行うか。それとも時間を有効に使い、サッカーに必要な観る動作をトレーニングするか。

 

基本的にはコーチ、監督にはトレーニングを決定する権利が与えられている。こういったことを知っているか、知らないか。もしくはトレーニングするかしないかで選手の未来は変わって来るであろう。

 

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ヨーロッパでサッカー選手になるには2月生まれが良い?

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サッカー大国オランダでこんな研究結果がある。

 

プロサッカー選手になるには11月生まれよりも2月生まれの方がよりチャンスがある。

 

誕生月による効果

 サッカー、ハンドボール、野球、バレーボールといったチームスポーツにおいては、多くの研究がなされている。

その中には、誕生月にスポットを当てた研究がある。

オランダサッカーにおいては年齢の区切りを1月1日としている(日本は4月2日)。その中で、1、2、3月生まれの選手がよりトップチームに昇格しているという話らしい。

 

例えば13歳のカテゴリーで考えるとする。

1月1日生まれの選手と12月31日生まれの選手では実に1日の違いしかないにも限らず、学年が違い、ほぼ1年の違いがある中でプレーしなければならない。

 

果たしてこれは公平なのか?正当な評価はできるのか?成長過程にある子供にとって1年の違いはかなり大きい。

 

しかし、各クラブのスカウトは1、2、3月生まれの選手はスカウトしてしまうのが実情だ。なぜなら彼は大きく、フィジカルがあり、スピードがあるからである。

果たしてこれで良いのであろうか。

 

国際トーナメント

オランダで開催されたU13の国際トーナメントに参加した175人を対象に調査、研究が行われた。参加チームは以下の通り。

 

Ajax, Feyenoord, PSV, AZ, Bayer 04 Leverkusen, Zenit St. Petersburg, Anderlecht, Benfica,Lille。

 

ヨーロッパの育成トップクラブばかりが顔が並ぶ。

ここでは140人(全体の80%)の選手が1月1日から6月30日生まれ。

残りの35人が(全体の20%)の選手が7月1日から12月31日生まれという結果が出た。

 

スカウトはどうやって年齢の違いを考慮する?

簡単な話、スカウトは誕生月を見ましょうよという話。なぜなら、1年の違いがあり、本来のタレントを逃してしまう可能性があるからだ。

 

しかし、これは考えていることよりも少し難しい話である。

 

オランダの大学チームはスカウトを呼んである実験を行った。

選手に誕生月を考慮して背番号のあるゼッケンを着せて、プレーさせたのだ。

 

まず1番目のスカウトグループには選手の情報を何一つ与えなかった。2番目のグループには誕生月のデータを紙にして渡した。3番目のグループには全ての情報を与えた(どの背番号の選手が何月生まれなのかという情報。)

 

この研究結果によると、1番目のスカウトチームが評価した選手は1、2、3月生まれの選手が多く、3番目のスカウトチームが評価した選手は誕生月が考慮されていることから1、2、3月生まれの選手を多くスカウトするという相関関係は見られなかったようだ。

 

つまり、こういった情報が与えられることでスカウトの評価は全然違うということだ。

 

いかに才能を発掘するか。これはサッカー界における永遠のテーマであろう。

今後も様々な研究を探る、ベストな方法を探りたいと思う。

 

面白い記事を見つけたのでもし時間があれば。

dai-nagashima.com

 

 内容は重なりますがこちらも合わせて読んで頂ければ嬉しいです。

topcoach.hateblo.jp

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